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2010-09

帰る

 5日。
 ホテルをゆっくり出て、いつものように神保町を巡る。日曜日はほとんど休みであるが、それでも私のいきつけの店は、何軒か開いているのである。武道関係の本を何冊か買う。
 昼過ぎの新幹線で帰る。

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現象学研究会

 4日、久しぶりの現象学研究会。

 朝からホテルの下のカフェで『イデーン2-1』の今日の範囲を読む。身体論を楽しみにしているのだが、例によってフッサールの執拗な記述が続く。『イデーン1』から一体何が深められているのかなあと思いながら読み進める。昼食後ナガタさんと『俳諧十論』の注釈書の翻刻についての打ち合わせを済ませて、現象学研究会の会場へ。
 ここ2回ほど欠席していたので久しぶりである。とこれまた久しぶりのNさんと再会。何年ぶりだろう。ハイデガーやレヴィナスをやっていた頃は毎回会っていたことを懐かしく思い出す。
 さて今回は、前半が『イデーン2-1』、後半は竹田青嗣『完全解読 カント「純粋理性批判」』の合評会?。
 前半のレジュメ担当者は二人。いつも通りの明快な報告。次回はいよいよ身体論が出てくる(のかな?)。期待したい。
 後半は、カミヤマさんによる竹田青嗣論といってもいい内容。非常に興味深かった。竹田さんと同世代であるカミヤマさんは、私とはまた違った竹田論を持っている。それがよく分かって面白かった。またある方が展開された「竹田青嗣と宮崎駿」論は非常に刺激的だった。
 なんで師匠、文芸批評やめちまったんだよ~、と思っていた私であるが、実は文芸批評をやめて哲学に行ったのではなく、哲学の仕事の中に文芸批評家としての感性や本領が生き続けていると見るべきだったと思い改める。
 ところで、この場で恐ろしいことが判明。なんとこの本、最後まできちんと読んでないメンバーが結構いたのである。かくいう私も、である。というか、本自体を家に忘れてきてしまった~
 もちろんきちんと読めていないのは、私を含め、皆この本を大切に読みたいと思ってのことである。忙しい現代において、時間をとってゆっくり読書することは、もう誰であってもほぼ不可能であることがよく分かった。時間ができてから、と思っているその時間は永遠にこないのである。

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日本武道学会第43回大会

 9月1日、夜東京入り。
2日・3日、日本武道学会第43回大会。

 この学会に入ったのが今年なので当たり前だけど、初めての参加である。知り合いもいないし、要領も分からなかったが、ともかく受付時間に会場へ。
 会場の明治大学和泉キャンパスも初めて。駅を降りて人の流れに乗って歩いていたら、ある会社に入ってしまった。おっ?と思っていると警備員さんが飛んできた。
 
 どちら様ですか?

 名前を名乗っても仕方ないので、「ここ明治大学じゃないですか?」と尋ねる。親切に教えてもらって無事会場に到着。
 とりあえず、面白そうな発表がある部屋へ。質疑応答の時、○大学の○先生が発言される。ん?そういえばデラさが○大学の先生と知り合いだと言ってたような気が……。この先生かなあ、と思っていると、タイミング良くデラさからメールが来た。返信メールで聞いてみると果たして知り合いだった。ということでご挨拶。目出度く知り合い?が1人できた。
 こういうことはもう普通のことになったけれども、この学会でもいい流れでタイミング良くいろんな方と会えた。名前だけ知っていて顔を知らなかった方が発表者として登場されたり、質疑応答で発言されたり。また発表後すぐお話できなかった方とも、トイレの行き帰りや食堂などで遭遇することが叶った。
 昨年の鹿屋体育大学の身体儀礼文化フォーラムに参加したとき、一日中一番目立つところにいた私たちに「どちらから来られたのですか?」と声をかけて下さったH先生にも目出度く会うことができた。
 そんなこんなでいろんな方とちょこちょこお話ができた。中でも江戸時代の柔道伝書を紹介された方とのお話は非常に興奮した。また空手のある流派の方ともご挨拶。前から知りたかったその流派の「引き手」について確認できた(思っていた通りだった)。
 そんなこんなでかなり多めに持って行った名刺が、2枚を残すのみとなった。こんなに一度に名刺交換したのは初めてである。

 日本武道学会の発表は「人文・社会科学系」「自然科学系」「武道指導法系」に分かれており、それぞれの発表は、ほとんどが柔道や剣道などのトピックに分かれていた。各種目を超越した「武道」として何かを論じるものはほとんどないなあと思っていると、2日の本部企画で、寒川恒夫氏が、類概念としての「武道」はグローバル化していない、という話をされた。「武道は、これに含まれる種目が持ついわば種概念としての精神文化とは別に、それらを武道として認識するための類概念としての精神文化を必要とする」(『抄録』13頁)。

 その本部企画の前に特別講演。『日本型イノベーションのすすめ』(日本経済新聞出版社)『なんとなく、日本人』(PHP新書)の著者、小笠原泰氏による「武道とはいかなる意味で日本的なのか-国際化を『モノ』と『こと』から考える」。日本武道学会に来てこのような話を聞けると思っていなかったので、非常にラッキーだった。しかもこの前の身体開発研究会で話題になったばかりの「日本的」なるもの。小笠原氏が公演中でも触れられた、これぞまさしくセレンディピィティー。
 「グローバル・パラドクス」ということをまずお話になる。おお「逆説」ではないか。さらにそれを基礎とした「日本的」なるものについて、持論を展開された。
 講演終了後、個人的にお話を伺う。もちろん「日本的サッカーなるものはありえるか」ということも質問する。なんと小笠原氏はサッカーにも非常に詳しい方だった。

 小笠原氏の特別講演の後は、先に触れた本部企画。「武道の国際的普及をめぐって―武道に期待されているもの ―」。パネリストは寒川恒夫氏と金子明友氏。寒川氏については上述した。金子氏のお話は、フッサールやら現象学やらが出て来て驚いた。恥ずかしながら私は金子氏の御著書を読んだことがなかったのである。早速その場で『わざの伝承』をネットで検索、注文した。そうだ、4日の現象学研究会に備えて『イデーン2』を読まねば。

 学会2日目(9月3日)。
 午前中は研究発表聴講。
 午後から専門分科会。私は空手道の分科会にいくのが普通なのだが、剣道専門分科会企画で、小笠原流礼法の小笠原清忠宗家がご講義される。身体儀礼フォーラムでお話を伺ったこともあり、剣道の専門分科会に参加。
 ご講演の後実技指導。もちろん出来なかったが、面白かった。特に最近よく言われている武道的身体動作は、いかに楽に、合理的に、有効に身体を使うかという話が中心だが、小笠原流は、当たり前だが礼法なのであった。つまり自己のパフォーマンスを最大値にすることだけではないということである。そのことが、ごく僅かではあるが実体験してみてよく分かった。
 終了後ご挨拶する。鹿屋でもご挨拶したので覚えていて下さった。
 その後、途中から空手の分科会に参加。

 ということで初参加の学会が無事終了。
明日は久しぶりの現象学研究会である。

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