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2010-11

第15回黒帯の稽古会

14日。
第15回黒帯の稽古会。今回は豊橋の回。テーマは「目付け」。早いもので、もう15回め。いつものことながら、難しいお題(テーマ)である。テーマは幹事から出されるのであるが、前は何をやるかを事前に考えたのだが、もう今はそんなことはしない。だから自分でもどうなるかは分からない。今回もどうなるのか楽しみにして行った。
黒帯の稽古会は、毎回そうであるが、参加者と私が共鳴しあって、思いもよらないことになってゆく。しかし今回ほど「えらいこと」になったことはなかったのではないだろうか。なんせ全員がオープンマインドのあまり、ふわふわ浮いていた。本当に道場でふわふわスキップしていたのである。全員で。なぜテーマが「目付け」でみんなそういうことになってしまったかは内緒です。しかし、普段苦手な技も得意な技も、素晴らしくできた。全員が。形も全く質が違うものになった。棒も振りの質が全く違った。全てが変わった。ってことは、普段みんな目付けが出来てなかったのね?
もちろん私たち武道を修行する者は、そういうふうには考えない。これまで分かったつもりでいたことが、実は全く違っていて、自分は何も分かってなかったのだ、という経験の繰り返しこそが修行の経験だからである。こんなことは日常茶飯事なのである。そして分かってなかったことなんかどうでもいいくらいに、分かった(出来た)幸福感が大きいのである。だから武道はやめられない。
それにしても「目付け」がここまですごいものだったとは。「目付け」をどこを見るかという問題として考えている限り、武道で「目付け」が重視される理由、なぜ多くの流派で様々な「目付け」の教えがあるのかが理解できないだろう。
毎回言っているが、今までで最高の稽古会だった。全員がそう思ったはず。毎度ながら時宜をえたテーマを与えてくれた幹事さんに感謝である。
稽古終了後は、懇親会。黒帯の稽古会は、これを含めての稽古会である。その意味が今回の参加者にはよく分かったはずだ。こっち「もえらいこと」になったからである。あるホテルのテーブルオーダーバイキングだったのだが、注文したものは来ないわ、注文してないものが来るわ、そのうち自分たちが何を注文したかも分からなくなり、終には注文などというものが意味をなさなくなり、ミステリーバイキングと化した。
もちろんオープンマインドで、常にポジティブな私たちは、そのミステリーを堪能したことは言うまでもない。もちろん全員が。

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昇段審査と幹部交代式・飲み会など

 13日。武道部昇段審査。
 今回は3名が受験。無事全員合格。3人ともよく出来ていた。中でも2段に合格したミヤモトさんは、今年卒業した社会人。学生最後の昇段審査は、「もうちょっと稽古してからね」ということで受験を見送らせた。卒業後は、ほぼ1ヶ月に1回のペースで豊橋まで稽古に来ている(この前まで大阪から、今は東京から)。社会に出て人間的に一回り大きくなった分、武道の技術も上達し、今回無事合格できたのである。
 夜の審査打ち上げで彼女はこう言った。

 会社で仕事をしていて、一流の設計者(技術者)になりたいという思いが、学生時代以上に強くなった。そのためには、武道にもきちんと向き合わなければと思った。武道を究めなければ、仕事の技術も究められないと思った。

 すばらしい。仕事が忙しいから、仕事を究めたいから武道ができない。そのような武道を私たちは目指してはいない。日常において、自分の心身のパフォーマンスを最高に発揮する道こそが、私たちの目指す武道である。

 夜は幹部交代式。武道部はこれをもって新しい幹部に交代した。今までの幹部さん、お疲れ様でした。新幹部さん、これからしっかり修行して下さいね。

 それに引き続き、帰国する留学生の送別会、昇級・昇段審査打ち上げ。恒例の「一人一言」は今回はなし。その代わり出来るだけ沢山の人と喋るように指示する。この点については、部員にはもっと修行してほしい。
 ともあれ、無事終了。

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三十六手特別講習会

 7日。
 三十六手特別講習会。三十六手も残すところあと2回。前回は50回通すということをやったので、今回は細かいところを個別にチェック。それでもついついいろんな技をやってしまう。がみんないい感じになってきた。
 終了後はいつものようにみんなでご飯。
 その後、ちょっと特別な稽古をして終了。

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シンポジウム・文脈を掘り起こす

 6日。
 昨日の竹田・橋爪対談に引き続き、日本文学協会第65回(2010年度)大会、国語教育の部に出席。テーマは〈文脈〉を掘り起こす―ポスト・ポストモダンと文学教育の課題―
 今日は西研さんの登場である。事前にメールや電話でちょっと話していたので、非常に楽しみにしていたが、予想をはるかに超えて面白かった。
 何より、期待通り、西さんが、他のパネラー、この大会のテーマ、そして日文協に対して、真正面から真摯に向き合い、自分の言葉で語ってくれたことが嬉しかった。基調講演では、特に須貝氏との違いがかなり明確だったが、それでも粘り強く対話を続けられ、最後の最後で、あっ、と思う通路が見えた。それは 須貝氏が、

 西さんは分かり合うことの大切さを説いておられるが、私はそれを否定する訳ではなく、それと同時に、分かり合おうとする時に必ず生じる、分かり合えないことの大切さも大切にしたいのだ。それが私が今日、ずっと言いたかったことなのだ。

とおっしゃった時である(発言は私の記憶と印象によるものなので間違ってたらスミマセン。正確な発言は、後日発行の「日本文学」をご覧下さい)。
 
 初めは非常に対立的に見えた両者だが、お互い真摯にディスカッションを続け、最後の最後にちょっと光明が見えかけた、そんなシンポジウムだった。

 欲求不満になりがちなシンポジウムが多い中、このシンポジウムは大成功だったと思う。勝手なことを言わせてもらえば、日文協にとって非常に良かったのではないだろうか。聴衆も非常に真剣に聴いており、質問もたくさん出た。それほど刺激的で、深く考えさせてくれるシンポジウムだった。もちろんそれは3人のパネラーの、人柄と思想によるものである。

 そして個人的には、やっぱ西さん凄いわ~と再認識したシンポジウムだった。

 最近の私のテーマは「上機嫌」。先日お会いした内田樹さんもいつでも上機嫌。竹田師匠は講演も飲み会も上機嫌。西研さんもこのシンポジウムの状況でさえも上機嫌。ついでに私にこんなことばっかりやらせている?(というか、ほんとうは勝手にやってるんですけどね~)常人歩人さんは、治療中も上機嫌。
 やはりツワモノはいつでも上機嫌なのである。

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地球市民の正義

 5日 。
 竹田師匠と橋爪大三郎さんの対談に行く。題して
地球市民の正義
すごいタイトルですね~

 午前中は大学で雑用。12時43分のひかりで東京へ。
いつものようにコーヒーを買って改札を入って、ホームへ。私は13号車。ちょうどいい時間だ。新幹線が入ってきた。乗り込む。

この辺にする?
と女性二人組が話している。指定席なのになあ。ガラガラだから空いている席に座ろうとしてるのかなあ、と思いながら自分の席へ。荷物を置く。
いつものように入り口のテロップ?を確認。えっ!

 こだま、名古屋行????

 反対方向やん!

 慌てて荷物を回収。何とか降りられた。確かにこだまは13号車は自由席です~
もちろん東京行ひかりは出た後。しかたなくこだまでのんびり東京へ行く。

 ホテルにチェックインして、メールを書いて、いざ東工大へ。
 最初に25分ほど橋爪さんの正義、戦争、軍事などのお話。実に明快。これほど明快な戦争や軍事についての説明を私は聞いたことがない。橋爪さんには竹田さんとはまた質の違う明晰さがあることを再認識。その後竹田師匠が20分ほど話し、対談へ。
 二人は哲学と社会学という立場を強調しておられたが、ほんとうは竹田青嗣と橋爪大三郎の個人戦である。この個人戦が実にスリリングだった。それぞれの立場と方法論が全く違う。しかし現状認識と大きな展望には深い共通理解がある。だから微妙にずれているようで、交錯しているようで、この間合いが実に微妙である。そこに橋爪さんの意図的な挑発があり、議論は白熱するのである。

 「善意」の哲学者竹田青嗣に対して、

 善意を持っているだけでは何の役にも立たない。
と言い放つ。大事なのはメカニズム作りだと。

 この点については、対談では軽く流されたが、後の懇親会で私が橋爪さんに質問したのをきっかけに大いに盛り上がった。

 よく考え抜いた思想がぶつかるとこれほどスリリングになるのか、というほど面白かった。非常に難しい問題の核心を極限までシンプルにしてしまうことに関して、この二人は双璧である。そして竹田さんは「私の感度」から絶対離れないし、橋爪さんは「学問」を絶対離さない。橋爪さんのエネルギー革命構想も大変面白かった。

 2時間があっという間にすぎて対談終了。その後飲み会へ。先に書いた「善意とメカニズム」の問題など、議論が白熱(というか竹田師匠が熱く語る)。

 解散後橋爪さんは自転車で颯爽と去っていった。さすがエネルギー革命の方である。

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RSSリーダー

 今年入ったある部員からメールが来た。

 先生のブログから配信されるRSSを私のRSSリーダーに登録し、見逃すことのないように致しました。

 それによって、見逃すことが避けられるからだそうだ。さらに、それを他の部員に推奨してもいいか?と書かれていた。

 丁度昨日尚志館の演武の後、御飯を食べに行ったので、この話をして、「さて、私はどう返事をするでしょうか」と問うた。
 現役部員には結構難問かなあと思っていたので、「これは難問です」と言ってから話をしたら、エミコさんが、フン、と鼻で笑って向こうを向いた。あまりに簡単過ぎて自分が答えるまでもない、ということである。あら、

そうだったのね、と思って、イケオくんに聞くと、

 そんなことしたら、気遣いや気配りの稽古にならない。いつでも気に掛けているのが稽古ですから。

と答える。ほほーっ、やるね~

 次いで次期部長のニシクボくん。

 「先生が更新してそうやなあ」というのを感じるのが稽古ですから、やっぱりダメじゃないですか。更新してそうやと思ってアクセスして更新してなかったらショックを受けて……、でもそれが楽しい。

 ほほほーっ、やるやないか~

 流れを感じて、流れに乗るのが稽古やからなあ。

 ほほほほーっ(ってこれ、誰が言ったのかな?)

 やっぱり簡単過ぎたようです。そこにいた全員が、そうそう、という感じだったし。「これのどこが難問ですか~?」という雰囲気さへも……

 みなさん、知らない間に成長してたのね。私の判断誤りでした。すみません。
 
 実はこれが尚志館メンバーの役得である。尚志館メンバーは、尚志館では、いわゆる自分の稽古はあまりしない(「いわゆる」と言ったのは、ほんとうはとても大切な稽古をしているからである)。ただ稽古後御飯を食べに行くということを毎週繰り返している(ニシクボくんは武道部と尚志館の間の昼食にもついてくる)。しかも、食事中は、単に私が上機嫌でしゃべりまくっているだけである。
でもだからこそこの程度の問題は簡単に分かってしまうのである。

 もちろんRSSリーダーを否定する訳ではない。何十、何百ものサイトから「情報収集」している人にとっては不可欠だろう。しかし武道部員や方寸塾生がこのブログを読むのは、「情報収集」ではないのである(そもそも収集するような情報なんてほとんどないし~)。
 
 もうすぐ武道部は幹部が交代し、指導体制も一新して、新生武道部になる。稽古やその他の雰囲気もがらりと変わるはずである。
 いよいよ 新生HAPPY! LACKY! 武道部 の誕生である。

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市民館祭

 3日。
 尚志館の稽古に使わせてもらっている校区市民館の市民館祭。尚志館は午前中に演武。といっても私は出番がないので、客席に座ってビデオ撮影。今日だけでなく、演武内容決めも、稽古も全部館長が仕切ってくれるので、私はただ居るだけである(いないこともままあるけど)。
 子どもたちも年々よくなっているし、ユキミさんのヌンチャクも、みな見入っていた。いい演武だったと思う。会場も和やかな雰囲気だった。
 終了後は、みんなで御飯へ。2階の和室が空いていたのでゆっくりできた。
 夕方は中日文化センター。ここは祝日でも関係なく稽古がある。が生徒さんが休むのは勝手である。2人ほど欠席(始まって以来サイ大の欠席者数である)。こちらもだんだん良くなってきた。これからが楽しみである。

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天理図書館開館80周年記念特別展

 2日。
 ちょっと調べものをしに天理図書館へ。天理図書館では折しも開館80周年記念特別展を開催している。もちろん拝見。
 『伊勢集』も注目だが、私的に今回一番見たかったのは、蝶夢の『遠江の記草稿』。予想以上に綺麗なもので、ちょっと驚いた。しかしいかにも蝶夢らしい。
 そして図録の表紙を飾っている蕪村「取句法」。いいですねぇ~。内容もとても面白い。
 他にも貴重な資料がいっぱい。圧巻である。そして図録の綺麗さ。いやあ、何周もしてしまいました。

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亀仙グッズ5

 11月1日。
 今日は師匠に登場していただきましょう~

どうぞ~
CIMG9071.JPG
よっ!

 私も日々修行を重ねておりますが、亀仙師匠には遠く及びません。なんとか少しでも近づけるよう努力あるのみです。

kamesennin.JPG
ぴーす

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