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与えられた条件の中で

  • 2009-02-06 (金) 13:55
  • 授業

 今日の1限のテーマは、

 短いやりとりで、なぜあの人は信頼されるのか?

 私は、許された条件で精一杯の努力をするのが苦手だ。すぐ「もっと時間があったら」とか、「もっと場所が広かったら」などと思ってしまう。コミュニケーションでも同じで、自分の思っている自分はかなり複雑なので、とても5分や10分では相手に分かてもらえないと思っている。だから初めから諦めモードで、当たり障りのない自分しか出さない。そして心の中で、「本当の自分はもう少し違った人間なんですけど」と思っている。昨日書いた「嘘の三郎」である。自分はいつでも自分を誤魔化し、人に嘘をついている、そう思って生きてきた。

 以前の私はそうだった。でもこういう考えは間違っている。5分でも10分でも1分でも、そこにその人自身は自ずと現れてしまうものなのである。だったら与えられた時間で、自分にできる工夫をする方がいい、そう思うようになった。

 与えられた条件の中で、自分にできることを精一杯やる

 ようやくこんな簡単なことが分かってきた気がする。考えてみると、最近は「~だったらなあ」と思うことがあまりなくなった。無い物ねだりをしても仕方ない。「5分で説明して下さい」といわれれば、「はい、5分でね」と思うし、「このメンバーで演武をして下さい」と言われれば、「はい、このメンバーでね」となる。そしてその条件の中で、現実に何ができるかを考えるのである。

 将棋の棋士の本を読んでいても、野球の監督の本を読んでいても、「今ある戦力でどう戦うかが大切だ」と書いてある。確かに「いま飛車があったらなあ」とか「イチロー選手が自分のチームにいたらなあ」などと思っても仕方ない。
 もちろんそんなことは知っていた。でも、そんな簡単なことが、つい最近まで、私には出来なかったのである。

 もう一つ、コミュニケーションにおいては、そこに自分が現れることに対するとまどい、恥ずかしさ、照れ、不安などの心理的防衛が働いてしまうことが多い。

 私はそんな話をした。学生たちも、自分のバイトの体験などを話し、いつものようにディスカッションした。
 他の授業もそうだが、この授業もとても楽しい。

 だがこの授業、特に3学期には強敵がいる。それは蒲団である。8時半に間に合うためには、寒くて暗いうちに、蒲団から出なければならないのである。
 授業は、2月の末まで続く。みなさん頑張りましょう~

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