- 2009-10-05 (月) 18:24
- 研究
少し前に齋藤耕子氏の『福井県古俳書大観第九編』が刊行された。このシリーズは文字通り福井県の俳人の載る俳書を翻刻しているものであるが、その数なんと全320冊余(うち50冊は全冊翻刻)。
齋藤さんはそれ以外にも、『福井県俳人大観』『芭蕉塚物語』『若越俳人列伝』など計20冊以上を自費出版しておられる。さらに若越俳史研究会の機関誌「若越俳史」もすでに116号に達している。大正14年生まれ。驚くべき活力である。
俳諧研究には一つの地方にこだわり、それを徹底的に研究している方が何人かおられる。その代表が前に書いた田坂さんや齋藤さんである。齋藤さんの仕事は、地道に集めた福井県の俳諧資料を翻刻紹介することと、それをもとに福井県に関する従来の俳諧史研究の誤謬を正すものである。地方の俳書は膨大である。また地方に密着しておりその地方でないとよく分からないことも少なくない。その意味でも、私のように支考と美濃派を研究する者にとって非常に有難いのはもちろんのこと、俳諧史研究全般において非常に重要な仕事なのである。
これからも、まだまだ精力的に続けて頂きたいと切に願っている。
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