- 2010-01-19 (火) 16:37
- 日記
少し前の朝日新聞(2010年1月10日)に、野田秀樹さんと岡田武史さんの対談が掲載されていた。
その中で、岡田さんが次のように質問された。
以前にけいこを見せてもらいました。一部の役者の動きが遅れている時があって。自分ではわからないものですか?
野田さんの答えはこうである。
全体が見えなくなってしまうんですよね。サッカーと同じで、止まっていればわかるけど全体が一緒に動くから。それを稽古する段階でわかる役者でないといけないし、わからない役者は舞台に立ってはいけない。距離感のまったくわからない役者もいます。(略)最初から距離感をきちんと持っている役者は、演出しなくてもいい立ち位置にいるものです。
なかなか厳しい。その後、次のようにやりとりが続く。
(岡田)距離感は感覚的にわかっていないのか、いろいろ考えるからだめなのか。
(野田)自意識との関係がある気がする。他者を見るのではなく、自分のことに一生懸命になるからなのかな。
なるほど。自意識ですか。その通りですね。自分のことに一生懸命になればなるほど、この距離感が分からなくなってしまう。面白いですね。