- 2010-04-13 (火) 18:10
- 日記
カンブリア宮殿は「理想の人材SP第二弾」。番組中で、日本マクドナルドの原田泳幸氏が社員にこういう話をしておられた。
若いときにキャリアディベロップメントなんてあんまり考える必要はない。私のアドバイスは、日々、皆様の今の仕事、今の課題を期待以上にやり遂げる。これを繰り返していくと、キャリアは皆さんが作っていくのではない。世の中から巡り合いで、皆さんのところにキャリアがやってくるんです。
人生とは「巡り合い」である。武道において、心身を開いて、常に即レス状態になっていることを説くのは、そうでないと、この「巡り合い」がうまく巡ってこないからである。あるいは、巡ってきてもそれに気付かず、逃してしまうからである。なぜそれが問題なのかというと、「巡り合い」にうまく同調できない武道家は、最終的に敗れてしまうからである。
「今、ここに意識を集中して、やるべきことをきちんとやる」。それは、「即レス」、つまり余計なことをごちゃごちゃ頭で考えないで、開かれた心身で「今、ここ」に反応するということでもある。もちろん場当たり主義ではない。
このあたりの感覚が、なかなか難しい。しかしこの感覚が分かってくると、「皆さんのところにキャリアがやってくるんです」という感覚が分かる。ここでは社員に向けて話されているのでキャリアの話であるが、実は私たちの人生において、ほとんど全てのものは「向こう」からやってくるのである。
人間は欲望存在であるというのが、我が竹田師匠の欲望論である。そして欲望は「告げ知らされる」という形で、必ず「彼岸」(向こう)からやってくる。深い欲望であればあるほど、それは私の意識を越えて、向こうからやってくるのである。
人やものとの出会いも一緒である。心身が開かれてさえいれば、つまり「即レス」できてさえいれば、出会うべき人とは出会い、出会うべきものとは出会える。一見主体性がないように見えて、それが真の主体性であるという逆説を、武道の心法は教えているのである。
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