- 2010-05-23 (日) 22:10
- 研究
芭蕉翁記念館での調査。
生憎の暴風雨。傘が壊れるかと思った。
記念館に到着した時には、靴がびしょ濡れで、靴を脱いで上がったら、足跡が……。
すみません。靴下脱ぎます。
ということで、素足になって和室の方に上げて頂いた。
調査自体は、順調に終了。
記念館では今、企画展「芭蕉と門人-華開く十人の藝術-」を開催している。興味深く順に拝見してゆく。と、
中川乙由
星山反朱
という記述が目に入り、びっくり。資料は『(伊勢)新百韻』である。冒頭に、「俳諧條々」として、俳席の心得をあげ、その最後に上記の記述がある。
実はこれ、この前『雲雀野』32号に翻刻紹介した『俳諧十論弁秘抄』の別本、『十論記文秘説』と『十論聞書鈔』に入っている「俳諧條々」と同じなのであった(もちろん『雲雀野』の原稿を書いている時は全く知らなかった)。
ただし違いがある。『十論記文秘説』『十論聞書鈔』所収の「俳諧條々」は、
中川乙由
星山反朱
村瀬支考
と三人の連名になっている。『(伊勢)新百韻』には、「村瀬支考」の名がない。村瀬支考とは、もちろん各務支考のことである。村瀬は母方の旧姓。私はこれまでこれ以外に「村瀬支考」と署名した資料を見たことがない。その意味で非常に興味深く思っていたのだが、本文自体は、版本にあったとは。しかもこれ、古典俳文学大系に翻刻されて入っている。なんと不勉強なことか。恥ずかしい~。
が、勉強になってよかった。思わぬ収穫である。
調査終了後は、オオガケ夫妻と合流して金谷さんへ(^^)v