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武道部初合宿!

 7月3日(土)から4日(日)。武道部初の合宿を行った。何年も前からやりたいという声はしばしばあがったが実現せず、今回創部以来初めての合宿となった。
 参加人数34名。日程はちょっと変則。

3日(土)午前中  技科大武道場で稽古
     夕方   宿泊施設集合 尚志館組は尚志館へ。
     夜    尚志館組合流。懇親会。
4日(日)9時~16時 宿泊施設体育館で稽古
     17時   懇親会。その後現地解散。
 
 大成功だった。最高の稽古ができた。今の武道部でこれ以上の稽古は出来ない。帰宅報告メールもそういう思いで溢れていたように思う。私たち尚志館組到着前の懇親会も楽しかったようだし、合流してからの懇親会も楽しかった。今回の合宿は、武道部員の心にずっと残り、伝説の合宿として長く語り継がれるだろう。

 白帯や色帯は、武道の稽古ができて、そして武道部で稽古できて幸せだと感じたはずだし、黒帯は全体の雰囲気が素晴らしく、技の上達も素晴らしかったことを感じたはずだし、指導者クラスの黒帯は、なぜそうなったのかをしっかり見届けたようである。それぞれの段階に応じて、それぞれ感じるべきものを感じ、学ぶべきものを学び、そして技術的にもしっかりと上達した。それは今後の彼(女)らの人生の様々な場面で生きるはずである。

 クリハラさんはクラウチングスタートの稽古が印象に残ったらしい。帯の色ごとに、クラウチングスタートで短距離走をしたのであるが、呼吸を合わせる、号令をかけるタイミング等々、その時説明していた全ての要素が含まれていて、それがはっきりかつ楽しく受け取れる稽古だったと。私の側から言えば、そういう訳の分からないことを突然言い出しても、「何を訳の分からんこというとんねん」と思わず、「やってみよう!」と素直にやる部員だからこそうまくいく稽古なのである。
 それはともかく、こういう稽古は、その時、その場の流れの中で行われる稽古であり、別の人が別の機会に同じ事をやっても全く意味が変わってしまう、とクリハラさんが言った。つまりマニュアル化は出来ないし、自分がそのまま真似をしてもダメであると。
 その通りだと思う。その時その場にいてしっかり感じて受け取らなければ分からない。「この前の合宿で、こういう稽古をして、 それにはこういう意図があった」という話を聞いて、それを取り入れても、それは全く別物なのである。
 だからこそ、黒帯の人たちはみんな忙しい中、遠くから集まって来てくれるのだろう。丁度このエントリーを書いているときに、夜行バスで帰った卒業生から、帰宅メールが来た。そのまま仕事にいくそうである。お疲れ様です。
 その場にいてそれを受け取った人は、自分が指導するときは全く別のことをやるだろう。メニューは全く違うが、伝えていることは深いところで同じなのである。これをよく逆にしてしまう。メニューは同じであるが、その意味は全く違うという具合に。
 私が徒弟制度を推奨しているのは、それがメニュー(マニュアル)を伝えず、その感覚と意味を伝える指導法だからである。時間がかかるし、ものにならない弟子も出てくるだろう。しかし、ものになった弟子は本物、というのが徒弟制度である(もちろんだからと言って武道部が徒弟制度をそのまま採用している訳ではない)。
 技術の向上を強調していたエミコさんも今回本領を発揮してくれた。この前まで気合いがいまいちだったので、私は「気合いだ~、気合いだ~」と言っていたのであるが、そうすると気合いが入ればそれでいいと勘違いしてしまいがちになる。そこで彼女は、気合いが入ればいい演武ができると思ったら大間違いだよ、と伝えた。もちろん口で、ではない。杖演武の具体的な指導で、である。それによって杖の演武が見違えるようになった。そして懇親会で「今回は、気合いだけでなく、技術的にも向上しましたね」と言ったのである。
 ユウコさんも先週の特訓の成果が出て非常に良い状態だったし、ヒガシくんやヌッチャンも、イワサキくんの指導でかなりよくなった。書き出すと全員のことを書かないといけないので、フクモトくんとナカタくんのことを最後に書いておく。
 フクモトくんの約束組手の相手は学生ではないので、仕事の都合でなかなか稽古に参加できない。それでも彼は、一人で約束組手の稽古を続けていた。いない相手を想定して、一人で約束組手をやっていたのである。相手がいないからといって手を抜かず、黙々と必死にやっていたので、見ていて非常にかわいそうに思っていた。相手方は今回の合宿も突然参加できなくなったので、いよいよ決断しなければならず、稽古中にみんなに「どうする?」と聞いたら、ツルオカくんが「ナカタはどうですか?」と言った。本人に「できる?」と聞いたら「出来ます」と答えた。何をどういう順番でやるかも分かっているし、できると。じゃあ、ということでやってみる。できた。ということで、ナカタくんはチャンスをものにしたのである。
 チャンスを掴むというのはこういうことなのだろう。もし彼が自分の出番はないと思って、きちんと準備をしていなかったら、このチャンスを自分のものにすることは出来なかった。少なくともいつ声がかかってもいいくらいに、きちんと準備をしていたのである。
 劇もとてもよくなった。演武会は毎年お楽しみ企画があり、昨年は吹奏楽団とのコラボを行ったが、今年は、武道部員によるお楽しみ劇である。劇の稽古が一番生き生きしているのではないかと思うくらい、熱の入った稽古をしているが、部員たちの色々なアイデアが盛り込まれていき、みんなで作ってる感が満載である。もちろん素人の寸劇であるが、きっとお楽しみいただけるはずである。
 合宿幹事のユキミさん、演武会実行委員長のヒガシくん、懇親会幹事補助のニシクボくんはじめ、多くの部員の働きによって、武道部初の合宿は大成功に終わった。
 いよいよ演武会は、2週間後である。

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