- 2010-09-04 (土) 23:37
- 研究
4日、久しぶりの現象学研究会。
朝からホテルの下のカフェで『イデーン2-1』の今日の範囲を読む。身体論を楽しみにしているのだが、例によってフッサールの執拗な記述が続く。『イデーン1』から一体何が深められているのかなあと思いながら読み進める。昼食後ナガタさんと『俳諧十論』の注釈書の翻刻についての打ち合わせを済ませて、現象学研究会の会場へ。
ここ2回ほど欠席していたので久しぶりである。とこれまた久しぶりのNさんと再会。何年ぶりだろう。ハイデガーやレヴィナスをやっていた頃は毎回会っていたことを懐かしく思い出す。
さて今回は、前半が『イデーン2-1』、後半は竹田青嗣『完全解読 カント「純粋理性批判」』の合評会?。
前半のレジュメ担当者は二人。いつも通りの明快な報告。次回はいよいよ身体論が出てくる(のかな?)。期待したい。
後半は、カミヤマさんによる竹田青嗣論といってもいい内容。非常に興味深かった。竹田さんと同世代であるカミヤマさんは、私とはまた違った竹田論を持っている。それがよく分かって面白かった。またある方が展開された「竹田青嗣と宮崎駿」論は非常に刺激的だった。
なんで師匠、文芸批評やめちまったんだよ~、と思っていた私であるが、実は文芸批評をやめて哲学に行ったのではなく、哲学の仕事の中に文芸批評家としての感性や本領が生き続けていると見るべきだったと思い改める。
ところで、この場で恐ろしいことが判明。なんとこの本、最後まできちんと読んでないメンバーが結構いたのである。かくいう私も、である。というか、本自体を家に忘れてきてしまった~
もちろんきちんと読めていないのは、私を含め、皆この本を大切に読みたいと思ってのことである。忙しい現代において、時間をとってゆっくり読書することは、もう誰であってもほぼ不可能であることがよく分かった。時間ができてから、と思っているその時間は永遠にこないのである。
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