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講演会・我国電子セラミックス発展経緯と将来展望

  • 2010-10-05 (火) 15:06
  • 日記

 特別講演会を聴講。

 本学研究基盤センター特別講演会
株式会社村田製作所 常任顧問 坂部行雄氏
「我国電子セラミックス発展経緯と将来展望」

内容は4つ。
1.電子セラミックス発展の歴史
2.次世代材料設計技術
3.我国製造業の現状と課題
4.企業が期待する人材と教育

 1と2は、詳しい内容は私にはよく分からなかったが、非常に面白かった。技術者の魂がワクワクするような歴史があったことがよく伝わってきたからである。
 3と4、特に4は、よく分かる話で、非常に面白かった。人材育成(教育)という点で少し私とは考え方が違うところもあったが、だからこそよけい面白かった。

 「技術者自身が社会の動き、人の考え方に関心を向けなければ、自らの使命が果たせない」「優れた専門能力と共に、人間のあり方についての思考が不可欠」「コミュニケーション能力を持つ」「グローバルな教養、文化観、宗教観を持つ」等々、私たちが「人間力」と呼んでいるものの重要性を強調された。
 私が言っても学生はあんまり聞かないが、こういう方に言っていただくと説得力があるに違いない。私に「先生のいうことは理解できますが、それでは今の世の中では通用しない。それではやっていけない。」と(授業の感想で)言う学生がたまにいるが、さすがに坂部さんに同じことを言う学生はいないだろう。「工学の世界をあなたは知らないんだよ」とは言えないもんね。これって、山田ズーニーさんの言う、メディア力の違いですね、きっと。
 もう一つ面白かったのが、
 「私たちは、自分が持っている材料(シーズ)で何ができるかを考えてしまいがちだが、それではダメだ。まず、何が必要とされているか(ニーズ)を知ることが大切だ。そしてそれを実現するために、今の自分たちに何が足りないかを考え、それを勉強したり、買ってきたりするのだ」
と話されたことである。もちろんここでいうニーズとは、単に人々の欲求に迎合したり、売れるものを作れということではなく、何が人を幸せにするかをしっかり考えて、その夢の実現に向かって技術者として努力せよ、ということなんだと思う。その夢と志なきものにはセレンディピティはなく、当然イノベーションもないということなのだろう。

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