昨日、1年次入学生の1年生と3年次入学生の3年生にかなりの違いを感じるようになったという話を書いた。なぜこのようなややこしい言い方をしているかというと、1年次入学生でも、2年生、3年生となるにつれて3年次入学生と馴染んでゆくからである。しかしそれでもここ数年、3年生、4年生になっても、1年次入学生だと分かるようになってきた。これも興味深い問題である。
さて、今日は国文学2、村上春樹『海辺のカフカ』。
ここでも、やはり1年生と3年生の違いを顕著に感じた。何度もいうが、良い悪いではない。しかし違う。
たとえば、『海辺のカフカ』は、うちの学生にとって、非常に難物で、最初はみんな文句を言っていた。
作者が何を言いたいか分からない。それは作者の責任である。結論を明確にすべきである。自分が書くとしたら、まず結論を先に書く。
などなど。
しかし、このような主張は、高専卒生の3年生ではなく、ほとんどが高卒の1年生から出たものである。これも大変興味深い問題である。
もちろんこれは最初の反応であって、ディスカッションを重ねるうちに、様子は変わってくるのであるが、それにしてもじっくり考えたい問題である。
さて授業の方は、「文学」の表現とはどういうものかを私が時々説明しながら、みんなであれこれ読み解いている。毎回3人ずつプレゼンをしているが、大分読みが深まってきた。これは1年生も3年生も同じ。
授業も半分ほど過ぎたが、最初の頃のようなことは誰も言わなくなった。もちろん読みについては、いろいろ意見がでる。そして工学部の学生たちは、私にはない視点と発想を持っている。これが面白いのである。
この調子でどんどん読み解いてほしい。
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