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『科学』2011年12月号

  • 2012-02-09 (木) 19:19
  • 日記

『科学』2011年12月号に、渡辺敦雄・後藤政志・田中三彦の三氏の論文が掲載されている。そのうち書こう書こうと思っているうちに時を逸してしまった。しかし、書いておきたい。

三氏に共通するのは、津波の前に、地震で既に損傷していた、という立場である。それをそれぞれの視点から論述している。

後藤氏のスロッシングは、以前動画を見せて頂いた。

渡辺氏の主張もご本人からうかがっていたので、よく理解できた。氏は「「想定外」という表現は技術者としては無能であり、挫折である」(1245頁)と述べておられる。また、建設計画後震源域の存在が明らかになり計画が破棄されたボデガベイ原発にも言及しておられる。

最後の田中論文にはとても驚かされた。
東電が事故以来説明に使っている非常用復水器(IC)の系統図と、1992年4月に提出された設置変更許可申請書中のIC系統図が違っているというのである。田中論文はこう締め括られている。

以上のように,正しいのは図4なのか図5なのかは,事故原因の推定に大きな影響を及ぼす。政府と東京電力はどちらが正しい系統図なのかを早急に明らかにする必要がある。(1238頁)

こんなことがありえるのだろうか?すぐに分かるはずである。
この論文が出てから随分と日がたつ。既に明らかになっていることを願うばかりである。

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