「人間力」「日本語コミュニケーション能力」打ち合わせに浜松へ。
ある技術者の方にお話を聞く。
3時間半ほど様々なお話をした。
中でも、その方の実際に歩んでこられら人生のお話にとても興味を惹かれた。
こういうことが分かったのは、就職してからです。
こういうことが分かったのは、つい最近です。
と明るくおしゃっておられたが、それまでには様々なご苦労をされたようだ。
若い頃、上司に、
○○くんの言っていることは全然分からんな。
と言われてショックだったことや、自分がいかに頭が固かったかを思い知らされた出来事などなど。
技術者という人間として、自分に何が足りなくて、どういうことがきっかけで、今、何が分かったか。そこから見える技術者に必要なものとは何か。
お話を伺っていて、この方がご苦労されてきたことは、卒業して数年の多くの卒業生が直面していることなのではないかと思った。武道部の卒業生を思い出すと、まさしく同じだからである。
私はこういう苦労をしてきました……
そしてこういうきっかけで、こういうことが分かりました……
今、こういうことが大切だと思っています。
私はそれを、学生に直接語って下さるようにお願いした。
こんな話が面白いんですか?
と、半ば不思議そうに言われた。
私は逆に、若い人がこれほど聞きたい話はないはずだ、と確信できた。
同じような困難に多くの技術者の卵が直面しているはずである。それを克服できるか、できないか。克服できた人は、できなかった人と何が違っていたのか。
武道部の卒業生には、まさしくその分水嶺にいる者もいる。
来年度には、すこし味付けをした企画として実現したい。
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