- 2012-06-08 (金) 15:41
- 日記
日本語コミュニケーション論の授業。
テキストは山田ズーニーさんの『あなたの話はなぜ通じないのか』(ちくま文庫)を使っている。この本の基本スタンスに共感できるからである。
コミュニケーションとは相手との間に共感の橋を架けようとする努力のことである。そしてそれは自由を勝ち取るための戦いでもある。そういう意味のことが説かれている。全くその通りだと私も思う。そしてズーニーさんのコミュニケーション論がいいのは、「自分の根っこの想い(=根本思想)にうそをつかない」ということを死守しているところである。
本書はこの、「自分の想いにうそをつかない」ということを一歩も譲らず考えた。17頁
「自分の根っこの想い(=根本思想)」に嘘をつけば、コミュニケーションの問題はほとんど解決できる。自分が「ほんとう」に伝えたいことが伝わらないから苦しいのであって、そうでない嘘が伝わらなくても悲しくもなんともないからである。逆に、「ほうんとう」に伝えたいことが伝わったと感じられるからこそ嬉しいのであって、嘘が伝わっても気持ちよくもなんともないではないか。
その意味で、コミュニケーションの悩みも喜びも、この「根本思想」が源泉なのである。そして悩みや苦しみや喜びの深さは、自分が掘った「根本思想」の深度と相関している。
自分自身を掘らない表面的なコミュニケーション論を私は必要としていない。私に必要なのは、自分の「ほんとう」と他者の「ほんとう」を共有させることができるコミュニケーション論なのである。
自分の想いで人と通じ合う、それがコミュニケーションのゴールだ。25頁
他にも「問い」の問題、「決め」の問題など、本書には大切な問題がたくさん説かれている。
コミュニケーションの橋、氷山、自分の根っこにダーイブの図。
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