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西村記念館

西村伊作の西村記念館にゆく(4月2日)。

西村伊作は、文化学院創設者。文化学院といえば、与謝野鉄幹・晶子夫妻、石井柏亭、小林秀雄といった蒼々たる講師陣を揃えた学校である。ルヴァン美術館で見た陶器もとてもよかった。そして『楽しき住家』の著者にして設計者。西村記念館はその西村伊作が設計した自宅である。

館長さんがとても親切にいろいろ説明して下さった。
ほんとうにありがたい。

シンプルだけれども、様々な細かい工夫が凝らされていた。
伊作の美意識と価値観を随所に具現化してる建物である。

記念館の斜め向かいにはやはり伊作設計のチャップマン邸がある。

この西村記念館は伊佐田町にあるが、年譜によると伊作が生まれたのは仲之町。実は私の母方の実家があるのも仲之町。なんと不思議なことか。祖父母あたりは伊作のことをよく知っていたはずである。生きている間に話が聞けなかったのが残念でならない。しかしこれが「とき」というものだろう。

私はこれまで自分の興味のままに研究を進めてきた。ずっとやっているのが俳諧。俳諧と言えば芭蕉。私の一番の専門は各務支考であるが、支考は芭蕉の高弟にして、思想的後継者である。実は私の父のお墓は、その芭蕉の生家のすぐそば、芭蕉の故郷塚のある愛染院と同じ寺町のお寺にある。

最近興味をもって調べているヴォーリズは近江八幡。妻の父はそのヴォーリズが教鞭をとった八幡商業の出身。実家も近くの大篠原である。当然義理の父方のご先祖様もヴォーリズのことを知っていたはずである。

そして西村伊作。

おそらくご先祖様は、それぞれ単に知っていただけではなく、何らかの関係があったのであろう。

かくして私の研究は見えない力に支えられた自分の起源を探る旅となったのである。

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