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メールの返信

 一つ前のエントリーで、メールの返信について書いたが、第1回寺子屋でも「即レス」の話をした。これはメールの話ではない。日常のあらゆることにおいて「即反応できる身体」のことである。頭でごちゃごちゃ考えて、体が動かない。これでは武道は困る。

 その時、やはりメールの話になった。稽古などに関する日程調整のメールを出しても返信が遅い(来ない)者がいるというのだ。社会人である。もちろん数時間以内という話ではない。しかし、何日たっても返信がなく、再び問い合わせたり、催促してようやく返答するというのである。これでは困る。
 その時、ある卒業生が、会社では「返信お願いします」とか「回答お願いします」などと書いておかないと原則として返信がこない(出さない)ので、それと同じ感覚なんじゃないか、と言った。なるほどそういうことか。でも仕事じゃないし。問い合わせのメールであることは明らかだし。この人は彼女からのデートの誘いメールも、「返答して下さい」と書いてないと返信しないのかしらん。

 私の勤務先でも、重要な書類をメールで出しても、受け取りの確認がこないことが多い。私はわざわざ電話したり、メールで「届きましたか?」と確認したりすることも多いが、そうしなことも多いのだろう。「出した」「届いていない」というやりとりを会議などでもたまに目にする。そんなことにエネルギーを使うなら、「落掌」というメール1本出す方がよほど時間の節約になると思うのだが、そうではないらしい。

 私は仕事では、なるべくその流儀に合わせるように努力しているが(それも変だが仕方ない)、修行仲間(方寸塾生、武道部員など)との普段のメールは、よほどのことがない限り必ず返信するし、受け取りなどの確認のメールも出す。何度か私とメールのやりとりをしている人はそのことを知っているはずである。だから、「返答お願いします」と書いてあると、私はこの人に、「そう書かないと返答しないようないい加減な人間だ」と思われているんだ、と判断することにしている。もちろん知り合って間もない人は別であるが、今までそんなことを書いてきたのは学生だけである。

 さて、前置きが長くなったが、昨夜武道部員と夕食会を開催したので、この前のメールの話をした。その時に、別の学生から来たメールについても言及した。それは非常に傲慢な心の出たメールだった。「こいつ、こんなメール出して来よってん。むかついたから返信せーへんかった」と言ってそのメールを見せた。その時に「僕は基本的にメールには返信している。帰宅報告メールにも全員に返信している。返信しないときは何か理由があるときや(見てないという理由も含む)」という話をした。また「返信するかしないかは僕の自由だから返信するのであって、「返信しろ」と押しつけがましいことを書いて来たら、返信したくなくなる」と。何度もいうが、修行仲間の間でのことであって、仕事は別である。

 その後も食事会は長く続いた。
 次の日、その学生からメールが来た。「あのメールのどこが悪かったのでしょうか?」。おまけにこう付け加えられていた。「ご返答いただけないでしょうか?」。
 仕方ないので返答した。

 その時に聞け。

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