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『俳諧十論弁秘抄』(『俳諧十論聞書』)

  • 2010-02-18 (木) 23:23
  • 研究

 長らく更新していなかった。
この間何をやっていたかというと、ひたすら校正をやっていたのである。紀要の編集委員ということもあるが、そのほとんどは自分の論文(翻刻)である。今回、美濃派道統の周辺に伝来した『俳諧十論』の注釈書の翻刻をした(永田さんと共著)。前にこのブログでも紹介したものである(こちら)。『俳諧十論弁秘抄』、または『俳諧十論聞書』という。

 支考の文章、特に『俳諧十論』は難解で知られている。この本はその解説(おそらく支考による十論講の講義録)であるが、その解説がまた難解であったりする。それを、句読点とカッコ(「」、『』)を駆使して少しでも理解しやすいように工夫をした。特にカッコをどこまで付けるかに苦心したのである。結構多く付けたので、かえって煩わしいと感じる人もいるかも知れない。それでもまあ、かなり分かりやすくなったのではないかと思う。ただし永田さんによると、「さらにこの本の注釈書が必要」ということである。なるほど、そうかも知れない。そのうちやります。
 
 この本は『俳諧十論』の注釈書としては画期的に分かりやすい(くどいようですが、程度の問題であって、結構難解です)。しかも本質をきちんと掴んでいる(私がこれまで苦労して論証してきたことが、ずばり一言で書いてあったりする)。

 この本は、これまで存在が知られていなかった訳ではないと思う。しかし支考研究や『俳諧十論』研究に使われたことはない。
 だからこの本を紹介し、その価値を論じるのは私の仕事なのだろうと、長年思っていた。今回ようやく、永田さんの協力を得て、前半部分を翻刻紹介することができた。
 後半部分の翻刻紹介はもちろんであるが、このあと、中身の考察もやるつもりである。

 興味のある方はぜひ、『雲雀野』32号(豊橋技術科学大学 2010年3月31日発行予定)をご覧下さい。お近くの機関にない方は、ご一報下さい。連絡先は左下のリンク集(携帯では表示されないと思います)にある「中森康之研究室」にアクセスして頂ければ書いてあります。

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