- 2010-07-26 (月) 23:48
- 日記
7月26日。
山田ズーニーさんのワークショップ「想いを伝えるチカラ」(新宿紀伊國屋ホール)に行ってきた。筑摩書房からのメルマガが来て、見て、すぐ電話したら、なんと残席2。その場で予約。
ズーニーさんの『あなたの話はなぜ通じないのか』はここ数年授業のテキストとして使っているが、ご本人にお会いしたことはない。どんな人だろうという楽しみと、300人でのワークショップをどう捌くのかという楽しみと、いろいろワクワクして行った。
最初の40分ほどは講演。舞台に登場されたズーニーさんは、私が思っていたイメージとはちょっと違った。恥ずかしながら、もうすっかりこういうのには慣れておられて、自信満々でやられるのかと何となく思ってしまっていた。しかし目の前のズーニーさんは、この場でも必死で戦っておられるように見えた。人に思いを伝えることの難しさを今でも真摯に受け止めておられるのである。そういう人であればこそ、ああいう本が書けるということくらい分かるはずなのに、なんたる不覚。ほんと恥ずかしい。
その後はワークショップ。これも非常によく練られていた。進めていくうちに自ずと自分自身の「根本思想」に触れるような道筋が用意されている。
3時間半があっという間に過ぎた。私は成り行きで、舞台上の真ん中に座っていた(かなり目立ってしまったと思う)。そこから客席を見ると、会場中が一体となっている感じが非常に強く伝わってくる。全員の気がこちらに向かっているのである(もちろん私ではなくズーニーさんに)。そして最後にランダムに舞台上で話された方々の話を聞いても、このワークショップの凄さがよく分かった。そして、その話を客席で感動しながら聞いておられたズーニーさんの凄さも。
ズーニーさん、毎回こんなことやっておられるのですね。素晴らしい経験をされていますね。
私がズーニーさんが好きなのは、どんなに困難でも、「根本思想」を捨てることなく他者との橋を架ける道を進もうという強い意志(勇気)を感じるからである。私は常々コミュニケーションは、1勝99敗でいいと思っている。どんなに負けても、この1勝さえあれば信じられる。言葉を、他人を、自分を。
ズーニーさんも言っておられたが、ものを書く作業、考える行為、言葉を自分の奥の奥から紡いでくる経験は、非常に孤独なものである。だからこそ、少しでも通じたと感じられると嬉しい。
そのための勇気を与えてくれるワークショップだった。