- 2010-12-04 (土) 23:02
- 研究
4日。今日は自分の講演。
関東工学教育協会高専部会というところにお招き頂いて、「技術者教育における「人間力」とは何か―高度な技術者養成キャリア教育にむけて―」という演題でお話をしてきた。
私の前の方の講演時間の30分ほど前に到着。のはずが、なんと私が到着したのは別の大学だった……。慌ててほんとうの会場に向かう。3分前に何とか到着。
まず、私が感じている最近の技科大生の特徴についてお話をする。技科大生の8割は高専卒生だから、みなさん、微笑みと頷きをもって聞いて下さる。「学食醤油かけられ事件」「Nくんノートン削除事件」などのエピソードも紹介。
言いたかったのは、高専~技科大生は、真面目で素直でポテンシャルが非常に高いので、他者関係の中で揉まれ、鍛えられ、身体レスポンスがよくなれば、もっとその能力を生かせるということである。順調なときは自分の興味のある専門分野に非常な力を発揮する学生が、予期しない事態に直面したり、ストレスがかかると途端にパフォーマンスが低下するのは、実にもったいない。
だから授業でも、武道部でも、そこを必死に鍛えているのである。武道において、予期せぬ事態に出くわしたとき、心身が固まってしまってはどうしようもない。しかしほんとうは、それは日常のほとんどのことに当てはまる。もちろん仕事もそうだ。
高専生や技科大生が目指している高度な技術者は、今やひとりでものを作ることなどできない。自分のポテンシャルを十全に発揮しようとすれば、必然的に、他者と関わり、他者関係の中でそれを顕現させなければならない。
そのとき求められるのは、コミュニケーション能力であり、主体性であり、積極性であり、行動力であり、その他諸々である。そしてこのような能力は、個別に鍛えるよりも、全部まとめて鍛えた方がいい。だから私はこのような、現実の他者関係の中で自分の能力を発揮する力を「人間力」と呼んで、それを鍛えることを提唱しているのである。
では、どこで、どうやってそれを鍛えるのか?それを私の授業と武道部での指導、そしてプロジェクトメンバーの実践を中心にお話した。
懇親会でもいろいろお話ができてよかった。終了後は明日の予定に備えて、急いで豊橋に戻った。
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