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2012-07
講演:宮内寿和氏「技と心」セミナー「これからの大工の仕事 ~木の家と職人の現状~
竹中大工道具館の「技と心」セミナー
宮内寿和氏(宮内建築・大工棟梁)「これからの大工の仕事~木の家と職人の現状~」
に行く。
Webサイトによる案内は下記のとおり。
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あと40 年後には、日本の山から木がなくなってしまい、職人は絶滅危惧種に、日本では伝統的な住宅が建てられなくなるとも言われています。このような危機的な状況の中で、私達はさまざまな問題を抱えながらも、四寸角挟み梁工法の開発や木材の水中乾燥の実践など、常に日本の木造住宅の進化に取り組んできました。そのような日々の活動や仕事の話、住まい手とのやり取りをお話させていただきたいと思います。
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宮内さんのお人柄がよく窺える、かなり面白いお話だった。
話は多岐に亘ったが、前半は「心」に重点をおいたお話をして頂いた。
「絶対電動工具を使わなかった」修行時代のお話。
大工の仕事とは何か、技術は何のためにあるのか、親方の覚悟とは何か、独立にあたって立てた誓い、大工職人として求められる能力とは何か等々。そして日本の森の話、若い職人さんの話。
宮内さんはよく「あなた(という人間)に建てて欲しい」と言われるらしいが、その意味がよく分かるお話だった。
親方と書いて何と読む?
理不尽と読む。
なるほど。
お話を聞いていて、私の理不尽さは全然足りていないと反省した。
もっと理不尽にならなければ、教え子に申し訳ない。
自分が関わる仕事で、人が幸せにならないならその仕事は絶対にやらない。
簡単そうでなかなか出来ることではない。それを実行された覚悟は素晴らしいとしか言えない。
セミナー修了後、「職人育て」と「人育て」、最近のお弟子さんの特徴、技術者の人間力などについて、お話をして頂いた。お弟子さんにも少しお話を伺った。そして、やはりここ(職人さんの世界)に、現在の日本の社会と教育が忘れてしまった大切な人育ての本質があるという思いを強くした。宮大工と町屋大工は全く違うということであったが、人育てという点においては、その本質は同じである。
これほどの「心」をもった大工さんに建ててもらった家は、さぞ居心地がいいに違いない。
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講座:橋爪大三郎氏「石田梅岩と勤勉な日本人」
今日の授業は、日本語コミュニケーションと日本文化論。
日本文化論が終わってすぐ、東京工業大学世界文明センターの講座、橋爪大三郎さんの「石田梅岩と勤勉な日本人」に向かう。
何とか間に合う。
橋爪さんが、石田梅岩をどう解説されるのか。日本思想にどういう展望をもっておられるのか。日本人はいつから、なぜ勤勉になったと橋爪さんは見ておられるのか等々にとても興味があった。
タイトルとは少し違って、お話は、鈴木正三、石田梅岩、上杉鷹山、松下幸之助の4人のひとと思想の解説だった。橋爪さんらしい切り口で、コンパクトにまとまっており、見通しのいいお話だった。いつも思うことだが、キーワードの言い換えが絶妙である。まったく違う次元から言い換えてくれるので実に分かりやすい。竹田師匠とは質が全く違う分かりやすさである。そして個々の解説が必ず本質と結びつくように解説される。話の進め方や間の取り方も勉強になった。
個々のお話はとても面白く勉強になったが、一番聞きたかったことは今回はお預けとなった。そのうち本格的に切り込んでくれるのを楽しみに待ちたい。
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私は消えた…
- 2012-07-19 (木)
- 授業
本日の国文学。
プレゼンのあと、学生が勝手に質疑応答をはじめ、勝手に盛り上がっていた。私はただの一員としてそれに加わった。
最後のプレゼンが終わったときも、来週の応答プレゼンを誰が何をやるかを学生が勝手に決めた。私はその結果を聞いてメモしただけである。
結局この授業で私が明示的に行った行為は、授業開始、プレゼン者の交替、授業終了の、三つの合図だけだった。それで授業が完全に成立しており、しかもとても盛り上がっていた。
つまり私はこの授業から、教員としてはほとんど消えることができたのである。
教師がその場にいて授業を成立させながら、その存在が明示的には消えている状態。これは理想的な状態である。すばらしい学生のお陰で、はからずもそうなった。学生に感謝したい。
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猛暑の岐阜
今日は岐阜。
猛暑。
汗だく…。
猛暑。
詳しくは書けないが、恩人への御恩返しのつもりの作業が一段落。果たしてこれで私が受けたご恩の1%でもお返しできたのかと自責の念に駆られるが、与えらえた条件の中で、精一杯やったと自分を慰めもする。いずれにせよ一段落した。
それにしても暑かった。
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特別な型特別講習会
16日。
今日は特別な型特別講習会。
あっという間に4時間が経った。
何をやってそれだけの時間がたったかは、もう覚えていない。
ただ、私を含め全員が楽しくて楽しくて仕方がないような稽古だった。
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絶品の朝食
演武会翌日。
昨年と同じホテルに宿泊。
ここの朝食は絶品である。
トヨカワくんも宿泊。昨夜はご苦労様でした。
この野菜ジュース、最高です。
後で気づきましたが、昨年と同じチョイスでした…。
来年はベーコンにするぞ! と昨年も思ったような記憶が…。でもこのウィンナーも美味しいので、来年もまたチョイスしてしまうかも。
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第8回武道部演武会
第8回武道部演武会が無事終了。
お越し頂きました方々に心より御礼申し上げます。
今年は私は出場せず。
少しずつよくなっているものの、お肌の調子がまだ回復していないので。
今年も学生や卒業生がいい演武を披露してくれた。研究や仕事の忙しい合間をぬって稽古を続けてきた成果を存分に発揮してくれたと思う。
終了後はパーティー。
初めてホテル以外でのパーティーとなった。
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いつもはすぐに写真データをもってきてくれるのですが、今年はまだなので、とりあえず手持ちの写真でのブログ更新となりました。
詳しい写真はそのうち武道部HPにアップされると思いますので、そちらをご覧下さい。
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東海近世文学会7月例会
朝から武道部の稽古にでる。
演武会前の最後の稽古である。
みんな気力も充実してきて、いい感じである。
明日の本番が楽しみだ。
終了後すぐ東海近世文学会7月例会へ。
母利司朗氏の「支考の終焉」を聞くためである。
驚きの資料が出て来た。
また発表の主旨は、私の考えと基本的に一致するものであった。
いろいろ意見交換もできた。
非常に充実した発表とディスカッションができた。
例会終了間際に、退出。
すぐに豊橋に戻り、尚志館メンバーと合流。
夕食後、演武会にむけた最後の調整。
十三手をやりながら、新しい発見がたくさんあった。
裕子さんの十三手もだいぶ仕上がった。
これも本番が楽しみだ。
忙しい一日であったが、とても収穫の多い一日でもあった。
十三手の気付きは、次の型特別講習会で披露することになりそうだ。
メンバーのみなさん、お楽しみに~
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最近よくあること
最近よくあること。
あの人に用事があるので連絡しなければ、と思っていると、ばったり合う。
これは、もうだいぶ前からよくあることである。今日も学内のある先生に用事があって、メールしようか、電話しようか、直接お部屋にお伺いしようかと考えていた。大学に行く途中、ふと思いついて寄り道をして東駐車場についたら、その先生も丁度車から降りられるところであった。よかった。
新しい知り合いと出会ったとき、共通の知り合いがいる。
興味や関心、生き方に従って他者と出会ってゆくと、同じような人との繋がりができてくるのだろう。それほど行動範囲が広い訳でもないし。
ある人と出会わせてくれるために、媒介役が現れる。
ある人を紹介してもらう。その後その方と懇意になり、濃厚な関係になる。紹介して下さった方とは、それほどでもなくなる。こういうこともままあることである。
人生は不思議なことが多いが、あるがままである。そしてこのような感度を上げるのが武道の修行であると思う。合掌~(^人^)
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圧倒的な準備
- 2012-07-12 (木)
- 授業
国文学1。
お薦め本を発表するプレゼン。
何枚めかのスライドにお薦め本の目次があった。
彼は言った。
みなさん、どこの説明が聞きたいですか?
第5章!
分かりました。第5章ですね。
と言って、瞬時に第5章の説明スライドが出て来た。何でその章がリクエストされるのが事前に分かったのか?「手品みたい!」と盛り上がった。
何のことはない。彼は全ての章の説明スライドを用意していたのである。そして、リクエストされた章のスライドに一発でジャンプしたのである(一発ジャンプの方法も教えてくれた。知らなかったので勉強になった)。
発表時間が7~8分のプレゼンに、彼は18枚のスライドを用意してきた。そこには使わないはずのスライドが何枚もそこに用意されていた。
単位を取るために最低限の努力しかしない学生もいるが、彼のように、楽しみながら、圧倒的な準備をしてくる学生もいる。そして前者が、余った時間と労力を有効に使って、何か大きな仕事をしたという話は、寡聞にして知らない。彼のような学生が、とてもいい仕事をしたという話は枚挙に暇がない。
そして、こういうプレゼンがあると、授業がとても楽しくなるのである。
来週発表予定の学生は、ハードルが上がって大変だが、さらにいいものを期待したい。
がんばってね~
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