- 2008-12-19 (金) 23:59
- 日記
今日は1時限目授業をした後、三重大学で行われた東海地区大学教育研究会に出席した。
後半の研究大会では2人の講演があった。
一人目は田尻悟郎氏。以前テレビで拝見した通り、実に楽しい授業をされているようだ。講演も面白かった。
英語は水泳と同じ技能であるから、教師はレクチャラーではなくインストラクターに徹しなければならない。したがって説明は1回しかしない。それで聞き取れない者は放っておく。
もちろんただ放っておく訳ではない。その裏には、生徒(学生)が自ずと授業に集中するように、実に細やかな神経と仕掛けが張り巡らされている。
普通の「いい先生」は、細やかな神経を顕在化させてしまう。全ての神経と仕掛けをレクチャーに込めたくなるのだ。しかし氏は、
生徒(学生)を甘やかさない。徹底的に追い込み、泣きながらでもやらせる。
もちろんここにも、暖かな心が潜在しているのだが、この、潜在と顕在を逆転させたところに田尻メソッドの秘密があるのだろう。
ちょっと考えれば当たり前のことなのだが、教師という人種がこれを授業で実践するのはとても難しいのである。氏も言っておられたが、それが教師の性だからだ。これを捨てるのに、氏は20年かかったそうだ。
その潜在の部分も、講演では、ちらちらと垣間見せて下さった。有難い限りである。
さて、二人目の講演は、山口良治氏。スクールウオーズのモデルとなった先生である。「熱き感動を求めて」という演題通り、まことに熱い講演であった。感動した。
先生方! 生徒に何を教えたくて教師になったのか?
学生たち!何のためにここ(大学)にきて、ここで何を勉強して、これからどういう人間になりたいんや?
何度も何度も、聴衆に問いかけられた。そして実話版スクールウオーズを展開され、やはり何度も泣かれた。
自分自身と、そして他人と心の底から真剣に、真正面から向き合う。
これぞまさしく教師の性の権化である。権化だから潜在も顕在もない。ただただ熱く語る氏の講演を聞いていると、人間の心を動かすのは何か、人間は何に感動するのか、がよく分かる。
深い共通点もあり、かつ対極的でもある、お二人の講演を用意して下さった担当校に感謝します。
その後は、泰斗武館の稽古に参加。いつきても泰斗武館の道場は素晴らしい。気持ちよく稽古できる。武道部員2人と武道部初代部長も参加し、とても有意義な稽古でした。
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