今日の国文学は寺田寅彦「津浪と人間」。
みな一様に驚嘆する。
これっ、この前の東日本大震災の話じゃないですよね?
もちろん違います。これが書かれたのは昭和8年です。
しかし、学生がこういうのも無理もない。これが東日本大震災の後に書かれた文章だと言われても、全く違和感がないのである。
寺田寅彦が素晴らしいのか、人間がそれほど愚かなのか。おそらくその両方だが、少なくとも、人間は、全然進歩していないということだけは確かなようである。しかし寺田寅彦のような文章を書けるのも、また人間の素晴らしさなのである。