- 2014-01-07 (火) 20:57
- 研究
豊橋市中央図書館2階で、『蝶夢全集』の関連展示をやっていたと、昨年末ニシクボくんが写真をとってきてくれた。
田中道雄先生の日経新聞の記事(「仏徒で俳人蝶夢の素顔」2013年11月15日)、図書館に所蔵されている資料とともに展示されている。記事には昔田中先生が豊橋に調査に来られたときのことも述べられている。
また「膨大な俳書あさる」と題して、蝶夢の句の収集の話も書いておられる。
何十人何百人の句が並ぶ膨大な数の俳書を繰り、蝶夢の句を見つけると、ノートに一つ一つ書き写す。今のような整備された書誌目録も少なく、コピー機も写真サービスもない時代だった。・・・こうして各俳書から集めた句は半世紀で700余り。
「半世紀で700余り」。文字で書けばたった9文字。しかしこの9文字にどのくらいの苦労と夢が詰まっているか。約50年間、全国各地の図書館の俳書を、1丁1丁(1頁1頁)めくって、蝶夢の句を見つけてはノートに書き写す。これを田中先生はたった1人で続けてこられた。「半世紀で700余り」。
私も編者の1人なので、本来このようなことを書くべきではないのだけれども、田中先生の夢の実現とそのご苦労について、少しでも多くの方に知って頂きたく、ご海容願う次第である。
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