- 2009-07-04 (土) 21:48
- 研究
3日。
明治古典会の七夕古書大入札会の下見展観。
まず「伝書」をみた。入札会は、色々な分野の「伝書」がたくさん出品されるので、大変有難い。普段の調査は俳諧伝書だけで手一杯で、なかなか他の伝書まで見ることができないからである。いろいろな伝書を見ていると、人々が伝書なるものを作りたくなる気持ちが何となく分かってくる。特に武道伝書は、個人的な興味もあって面白い。今回もちょっと面白いものがあった。
俳諧では、4年ほど前に新聞で報道された、蕪村の「春興」(毛筆8行)が出ていた。それと当日新聞を賑わせた、子規の「幻の選句集」「なじみ集」。個人的には和田克司先生が朝日新聞で語っておられた「〈なじみ〉の顔が誰なのか、子規の周辺の人との結びつきもこれで明らかになる」という点が興味深かった。ぜひ明らかにしていただきたい。帰りに、その和田先生と入り口でばったりお会いした。
もう一点、新聞に出ていた三島由紀夫の書簡と写真。写真の綺麗さに驚いた。「憂国」の切腹シーン6枚の他、目録には「「血と薔薇」聖セバスチャンの殉教2枚(篠山紀信撮影一枚は家族や出版社からの意見で使われなかった幻の未発表写真」とある。
他にもいろいろ見せていただきました。
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