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空(くう)の写真家

  • 2009-07-22 (水) 14:24
  • 日記

放映は大分前だったが、水中写真家の中村征夫さんがプロフェッショナルに出ておられた。コウイカの交接の撮影に挑んでおられるとき、こう語っておられた。

 交接とかすぐそこでは行われていても、僕にはただ見えないだけで、魚の方は全部僕の方を察知していると思うんだけどね。だから撮ろう撮ろうとかね、いろいろ考えてちゃうと、その波長というのはもうどんどん相手に届いているんじゃないかと思うんですよ。だから空の状態でいかないと。

スタジオでも、

撮るぞ、撮るぞという意識を持たない。

自分の気をなくすようにリラックスした状態で、来たらシャッターを静かに押そうかなと考えていると、以外にそういういいチャンスに出会えると思うんですよね。

とおっしゃっていた。

 素晴らしい。年来力説しているように、すぐれたプロフェッショナルは、みなこの逆説を生きているのである。そしてこの「逆説」に極めて自覚的であり、その心の状態を意識的に作り出そうとするのが、武道における形稽古であり、約束組手稽古なのである。

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