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武道部再開

 お盆休みが明けて、武道部の稽古が再開した。大阪から裕子さんが来てくれたので、指導してもらう。さすがによく見ている。

 裕子さんと一致した意見であるが、昨日は紫帯が非常によかった。逆に緑帯は変な癖がついていた。お盆休みに自分で間違った稽古をしたのかもしれない。いずれにせよもうすぐ審査である。それまでどれくらい上達できるか、こちらも楽しみだ。継続的に上達するためには、この審査をうまく利用することが大切である。
 かつて入部して二週間で審査をうけた者がいた。

 二週間しかないのに受けてもいいのでしょうか?

 あほ、二週間もあるやんけ!二週間もあったらどれだけのことができるか考えてごらん。「二週間精一杯やろう」と思って必死に頑張った二週間は、たとえ不合格になったとしても、きっとその後の財産になるよ。
 受けるのと受けないのとでは、その二週間の充実度が全く違う。確かに彼は、二週間必死に稽古し、紫帯になった。そしてその3ヶ月後の大会で組手(色帯)の部で優勝してしまった。この時も、彼には一つだけ技をおしえ、それを徹底的に稽古させ、それ以外の技を出さないように教えた。彼は三ヶ月間、それだけを稽古した。そして見事に優勝したのである。もちろん色帯の部だったからではあるが、もし彼が二週間という期間を「二週間しかない」と考えて審査を受験しなければ、その後の大会での優勝もなかっただろう。優勝するしないは別としても、その後の彼の空手人生はまた違ったものになっていたに違いない。
 彼は、今、泰斗武館の館長をしている。

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