- 2010-03-25 (木) 16:03
- 武道部
3月20日から22日まで第13回黒帯の稽古会。
今回の稽古会は至福の時を過ごすことができた。いつも黒帯の稽古会はとても楽しいのであるが、今回はまた格別だった。稽古会自体がフロー状態に入っており、みんな楽しく、かつ技がばんばんきまり、流れている時間はゆったりしているのに、稽古会自体は、気がついたら終了時間になっていた。ほんとうにあっという間の3日間だった。もちろん一時は技ができなくて泣いていた人もいたが、終わってみればそれを含めてみんな至福の時を過ごすことができたのである。
自然の中で、川のせせらぎとウグイスの声を聞きながら、さまざまなパワーをもらった稽古会だった。みな感謝の気持ちで一杯になったに違いない。私もまた、傲慢になってはいけないと心から思った稽古会だった。
今回のテーマは、「肘の使い方」。前回のテーマ候補に挙がったが、1日では無理なので、お泊まり稽古会の時にやろうということになった。お泊まり稽古会は、毎年1回あるが、昨年はアラカワくんの結婚式でほぼ全員が北海道に行ったので、2年ぶりのお泊まり稽古会である。
1日目は、12時45分現地集合。なんと高速道路が大渋滞しており、何人かはぎりぎりでの到着となった。あれだけの渋滞でもみな間に合ったのはさすがである(一人だけ記念写真撮影中に到着。ギリギリセーフ)。
そんなこんなで、予定通り1時から無事稽古会が始まった。1日目は、受けの肘の使い方。いきなり試験をする。
中段横受けの肘の使い方を簡潔に述べよ。
全員正解。かつ不正解。今まで教えてきたことを全員きちんと書いていたので正解である。しかしそれは今までの話。今日からはそれは間違いです。
今まで教えてきたことはウソでした! がはははは!
ということで、中段横受けから順に解説し、皆で稽古した。もちろんほんとうにウソを教えてきた訳ではない。次のステージの受けをするためには、それまでのやり方を全て忘れて、違うやり方が必要なのである。しかしいきなりそのステージの受けはできないので、その段階に至るまでのプレステージで必要なことをこれまで指導してきたのだ。したがって、これまできちんとそれを稽古してきた人は、それまでと全く違う原理の動きであるにも拘わらず、スムーズに移行できる。身体とその感覚がきちんと出来ているからだ。それともうひとつ、基本が出来ている人は、心構えもできているからである。
えーっ?今まで習っていたのと全然違うやないですか!
などと誰も文句を言わない。そんなことに拘る人は、ここにはいない。「こうですよ」というと「こうですか」とやってみる。基本が出来ている人ほど素直なのである。だからすぐに出来るようになる。さらに5段くらいになると、「そこでもうちょっと三戦の締めを使って」などと一言いうと、「ああこういうことですね」とすぐに出来るから面白い。剛柔流空手は、そのような稽古システムを持っているのである。
2日めの午前中は、子どもたちのバスケと体育館を半分こ。空手衣を着ているにも拘わらず、エイ!とかヤー!とか一切やらず、触れるか触れないかで投げたり、繋がって歩いたりして、とても幸せそうにしていた私たちを、彼らはどう思っただろう。きっと変な団体だと思ったに違いない。まあいいか。
午後は、突きにおける肘の使い方。合わせて膝の使い方も稽古する。これまた驚くほどみんな上手くなった。一番驚いたのは、スズキくんを、クリハラさんが一本背負で投げたことである。ふとみたら、スズキくん、既に宙に浮いていて一回転してました。いやー、びっくりしたあ。って、なんで空手の稽古で一本背負をしているのか?もちろん空手の肘の使い方をマスターするためである(だから柔道でいう正式な一本背負ではない)。
やはり心構えが出来ていて、基本をきちんと稽古していて、志が同じ人と一緒に稽古するのは、とても楽しいし、私自身も成長することができる。今回も、「技を受けた感覚が、今までと全く違っていた」と褒めてもらいました。
そんな訳で、全員が、稽古中に自分の技が変化してゆくのを体感した。そして自分の身体自身とその動きの原理が変化するのを感じながら稽古ができた。だから凄く幸福感が漂った稽古会となったのである。
3日めは、恒例の観光。これまた楽しかったです。昼食を食べて、お茶を飲んで解散。
稽古場所といい、宿泊施設といい、ご飯といい、全て最高でした。幹事さんの尽力に感謝です。
食事で唯一失敗したのは、3日めの昼食。これは幹事ではなく私がここにしようと言った店である。うどんを食べるつもりだったのだが、席に着いたら、
先生、うどんは、300メートル先の系列店みたいですよ。ここにはないそうです。
ええーっ?
ということで鰻を食べました。でも美味しかったのでよかったです。だから失敗ではありません。その後の喫茶店も私が行きたいと言った店でしたが、雰囲気も味もとてもいいお店でした。