- 2010-04-28 (水) 14:04
- 研究
今日のnikkansports.comの野球の記事に、中日の落合監督のコメントが載っていた。先発投手に対するものである。
コントロールが悪かったんじゃないか。四球はつきものだけど、どこで出すかだ。1人相撲ってやつじゃないか。良ければ勝てる、悪けりゃ負けるじゃダメだ。この世界で何年野球やってるんだ。[2010年4月28日7時24分 紙面から]
「良ければ勝てる、悪けりゃ負けるじゃダメだ」。なんて当たり前で、奥の深い言葉でしょう。さすがプロフェッショナルです。悪い時にこそなんとか負けないように出来るのが、プロのキャリアなのだろう。それは、身体能力の問題ではなく、心法の問題である。
そういえばイチロー選手は、「悪い時も、その時なりの100%を出す努力をする」と言っていた。羽生善治さんも、「有利なときも、不利なときも、最善手を指すだけです」と言っていた。
まさしく武道の心法である。
もう一つ、保田与重郎の蝶夢に関する論文を読んでいたら、こんな文章があった。
人が何ごとを思ひ決した時に、蝶夢のしたやうな仕事が出来るのだらうか。
いいですねえ。「何ごとを思ひ決した時に」この人がやったようなことが出来るのだろうか?その「心の誠」は何なのか。確かにそう思える魅力的な人間が存在するのである。
保田はこう続けている。
かういふ人の心の誠や、おもひのつみ重ねやくりかへしを明らかにしてゆくことが、歴史の学びであり、文学の仕事でもある。(「蕉門と蝶夢」)。
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