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日本文学協会第67回(2012年度)大会・続

日文協大会の続き。

レジュメから加藤さんは本領を発揮されていた。
噴水の譬喩も絶妙だった。さらに最後にこう書かれていた。

そこを見誤ったら、学生、生徒が気の毒だ。それが、国語教育の自戒であるべきだろうというのが、この場に提出してみたかった私の考えです。

これはつまり、「あなたたちに教えられている学生、生徒が気の毒だ」ということである。もちろん加藤さんはそう明言されている訳ではないが、そう読まないと加藤さんを呼んだ意味がない。

国語教育のシンポジウムの怖いのは、パネラーが普段どのように学生(生徒)に語りかけているかが露わになることである。授業と講演は違うという言い訳は通用しないのである。さすがに加藤さんは、こういう授業をされているのだなあという、熱意の籠もった講演をされた。その言葉は確実に他のパネラーにも届いていたことは、その表情が物語っている。

「その理論に刺激を受けたら、それに抗え!」と加藤さんは言った。川の流れにのって下っていったら、その人の力が十二分に発揮されない。川の流れに抗っているときにこそ、その人の力が発揮できる。持っている力を十二分に発揮できないような仕事の仕方をしてはいけない」と。これには参った。自分は知らないうちに楽していたのではないか、そう思った。

シンポジウムの最後の方で、「(ここは)スターリニズムみたいだ」と言い放った、加藤ゴジラ。圧倒的な存在感だった。この大会の記録が載る「日本文学」は必読だ。

それでもフロアには結構共感者がいた模様である。西、竹田、加藤と三年連続で呼んだ意義がこれからどういう形で展開するのか、とても楽しみだ。

盟友山内さんも来られていた。終了後、3人でお茶。
院生時代、私はを加藤さんのひとことで救われた。このことは大分前にブログにも書いた(こちら)。今回また私は加藤さんに救ってもらったかも知れない。

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