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第15回黒帯の稽古会

14日。
第15回黒帯の稽古会。今回は豊橋の回。テーマは「目付け」。早いもので、もう15回め。いつものことながら、難しいお題(テーマ)である。テーマは幹事から出されるのであるが、前は何をやるかを事前に考えたのだが、もう今はそんなことはしない。だから自分でもどうなるかは分からない。今回もどうなるのか楽しみにして行った。
黒帯の稽古会は、毎回そうであるが、参加者と私が共鳴しあって、思いもよらないことになってゆく。しかし今回ほど「えらいこと」になったことはなかったのではないだろうか。なんせ全員がオープンマインドのあまり、ふわふわ浮いていた。本当に道場でふわふわスキップしていたのである。全員で。なぜテーマが「目付け」でみんなそういうことになってしまったかは内緒です。しかし、普段苦手な技も得意な技も、素晴らしくできた。全員が。形も全く質が違うものになった。棒も振りの質が全く違った。全てが変わった。ってことは、普段みんな目付けが出来てなかったのね?
もちろん私たち武道を修行する者は、そういうふうには考えない。これまで分かったつもりでいたことが、実は全く違っていて、自分は何も分かってなかったのだ、という経験の繰り返しこそが修行の経験だからである。こんなことは日常茶飯事なのである。そして分かってなかったことなんかどうでもいいくらいに、分かった(出来た)幸福感が大きいのである。だから武道はやめられない。
それにしても「目付け」がここまですごいものだったとは。「目付け」をどこを見るかという問題として考えている限り、武道で「目付け」が重視される理由、なぜ多くの流派で様々な「目付け」の教えがあるのかが理解できないだろう。
毎回言っているが、今までで最高の稽古会だった。全員がそう思ったはず。毎度ながら時宜をえたテーマを与えてくれた幹事さんに感謝である。
稽古終了後は、懇親会。黒帯の稽古会は、これを含めての稽古会である。その意味が今回の参加者にはよく分かったはずだ。こっち「もえらいこと」になったからである。あるホテルのテーブルオーダーバイキングだったのだが、注文したものは来ないわ、注文してないものが来るわ、そのうち自分たちが何を注文したかも分からなくなり、終には注文などというものが意味をなさなくなり、ミステリーバイキングと化した。
もちろんオープンマインドで、常にポジティブな私たちは、そのミステリーを堪能したことは言うまでもない。もちろん全員が。

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