- 2011-05-26 (木) 12:12
- 授業
久しぶりに授業ネタ。
1時限めの国文学1。先週齋藤孝さんの『読書力』(岩波新書)で大絶賛している絵本『ギルガメッシュ王のものがたり』『ギルガメッシュ王のたたかい』『ギルガメッシュ王さいごの旅』(岩波書店)について、
本屋さんを探したけど、どこにも売ってなかったのですが、誰かもってませんか?
と、ある学生がみんなに聞いたので、
僕もってるよ。来週持て来るよ。
ということで、今日持って行った。
ちなみに齋藤さん、次のように述べている。
楔形文字で粘土板に記されたギルガメッシュの物語は、ノアの方舟の原型とも言える話を含み込んだ壮大なものである。神話を構成する重要な要素に満ちている。友情と恋愛、英雄物語、生と死の物語、悪との戦い、旅など、物語の原型がほとんどと言っていいほど入っている。絵も素晴らしく、一枚一枚が壁画のようだ。色使いも美しい。ただ単にうまいというのではなく、神話の重みが伝わってくる荘厳さがある。……訳文も、文語体の迫力をところどころに生かしていて、申し分ない。とりわけ凄いのは、第三巻の『ギルガメッシュ王さいごの旅』だ。人生の問題が凝縮されていて、大人でも十分味わうことができる名作となっている。(116頁)
少し早めに教室に入って取り出すと、みんな興味深そうに寄ってきてくれた。そして集まって、「絵のクオリティーが高いよね」などと言いながら見てる。このあたり、この授業の学生は、身体レスポンスがとてもいいのである。
せっかくやから、読み聞かせやろうか。誰か読んでよ。
おおそれはいい、やろう、やろう、
と、これまたすぐ1人を残して聞く態勢に。身体レスポンスが最高である。
読んでくれた学生がとても上手で、聞いているうちに、とても幸せな気分になった。学生もみんなとても喜んでいた。
その後、一人一言をやって、通常のディスカッションへ突入。今日は内田義彦さんの『読書と社会科学』(岩波新書)である。
これもいつもながら私が暴走したけれど、熱いディスカッションになった。
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