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国文学のお薦めシート

前にも少し書いたが、今年度の国文学は例年にないことが起こっている。そのひとつが「お薦めシート」である。

この授業では、毎週自分のお薦めする本の「お薦めシート」を提出することになっている。授業の後半でそれをお互いに閲覧するのである。

今年度も同じようにしているのであるが、「もっとゆっくり読みたい」「手元にほしい」という声があがり、それを取りまとめて全員にメールで配信することになった。現在、受講生の1人、Iくんが、取りまとめて、それをひとつのPDFにして全員に配信してくれている。しかも、Iくんは、表紙もつけて、非常に充実した「あとがき」もつけてくれている。本来これって、私がやらないといけないのでは?、と思わせるような「あとがき」である。しかしこれを、私ではなく、学生が自発的にやってくれていることに大きな意味があるのだと思う。

お薦めシートの質も非常に高いものが多い。
プレゼンテーション、応答プレゼンテーションの質も高い。

受講生全員で、授業の質を下げないようにハードルを高く設定してくれている。

ほんとうに素晴らしいことだと思う。

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ジェイコブズ『都市の原理』

研究室輪講は今日からジェイコブズ『都市の原理』(鹿島出版会)。原題は”THE ECONOMY OF CITIES”。

この本は、「どうして成長する都市もあれば、沈滞・沈没する都市もあるのか、という私の好奇心から生まれたものである」(2頁)と語り始められ、前著『アメリカ大都市の生と死』からのテーマが引き継がれていることが明言されている。

そして、いきなりジェイコブズ節が炸裂する。

多くの分野ーー経済学、歴史学、人類学ーーで流布している理論は、農村経済を基盤にして都市が成り立っている、として疑わない。もし、私の観察と推論が正しければ、その逆が真実である。2頁

農業優位のこの理論(私の考えではドグマ)が都市についての従来の仮説にあまりに徹底してしみこんでいるため、この章では緊急要件として、この点を扱おうと思う。2頁

一般に信じられている思想が必ずしも真実ではない、ということは、科学史の上でわれわれのよく知っているところである。正しいと信じられていた思想の非真実性が明らかにされて初めて、その思想の及ぼした影響がどんなに広く、見かけ以上に危険なものだったかがわかる、ということも知っている。2頁

その説明のためにジェイコブズは生物学の例をあげ、多くの生物学者が「新しく発見された真実を従来の誤った理論に従わせるような理屈をつくることに汲々としていた」(3頁)と指摘するのである。

そして、

これと同じように、都市と経済発展一般についてのわれわれの理解は、農業優位のドグマによってゆがめられている、と私は考える。このドグマは、偶然発生の理論と同じくらい珍妙で、過去にすがりつくダーウィン以前の思想史の名残である、ということを論じようと思う。3頁

2章「新しい仕事はいかにして生まれるか」でも、ジェイコブズは非常に興味深い分析を行っている。ここで述べられている新しい仕事の発生原理は、現代においてイノベーションを考えるときにもとても重要な視点である。

これからどんな展開になるのかとても楽しみである。

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『アメリカ大都市の生と死』読了

ゼミ。

ジェイコブズ『アメリカ大都市の生と死』(山形浩生訳 鹿島出版会 2010年4月)読了。
この本の魅力はいずれまとめて書きたいと思っている。
とても面白かった。

次回からはジェイコブスシリーズ第二弾、『都市の原理』。
楽しみである。

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国文学1の授業、これでいいのだ

今年の国文学1の授業にちょっと異変が起こっている。
例年、本を読むのが大好きな学生が2~3名はいるものの、それ以外の学生はこの授業を機会に本を読んでみようという学生であった。ところが今年は、異常な本好きがほとんどなのである。しかもディスカッション中、ほとんどの学生が積極的に議論に加わる。とても明るいディスカッションが展開されている。

どうなってんの??

本をほとんど読まない学生や、コミュニケーションが苦手な学生はどこに行ってしまったのだろうか?

しかもその日の本をきっかけに、私がどんどん脱線していっても、誰も文句を言わず、乗ってくれる。だからさらに話が膨らんでゆくのである。もはや国文学の授業でなくなってしまっている感がある。この前も、一見その日の本の内容にほとんど触れずに終わってしまった。しかし確実にその本の内容の核心から膨らんでいった議論が展開された。私としては理想的な授業なのであるが、みんなもそれを楽しんでくれているようだ。昨年までだと、「授業に関係のない話が長すぎる」とアンケートに書かれそうなものだが、今年はどうだろう?別にどうでもいいので、毎回ノリノリで私は話し続けているのである。

次回からはそれぞれが自分のお気に入りの本を紹介するので、濃厚な議論が展開されることだろう。彼らについていけるだろうか。わたくし……。

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国文学1と日本文化特論

今日は国文学1と日本文化特論。

国文学1。
例年になく読書好きが集まったようだ。話好きも多い。
ディスカッションも、みんなどんどん話すので盛り上がる。
この調子でいけば、多様な価値観や繊細な感性の涵養やコミュニケーション能力の養成がどんどんできそう。何より授業が盛り上がって楽しい。いい予感である。

日本文化特論。
こちらもいろいろな話題で盛り上がった。ちょっと私がしゃべりすぎた気がするが、それぞれがしっかり議論できていて、実に頼もしい。さすがドクターの学生だ。

ということで、すごく明るくて楽しい授業だった。

午後からは久しぶりの五体へ。
それについてはまた明日。

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知的体力

今日の日本文化論の小レポート(感想)に次のような意味のものがあった。

先生は全15回の授業を最後まで聞いて理解出来る授業をすると言っていたが、それは長期的な物の教え方として正しい方法ではない。私たちはそれで何が言いたいのか全く分からないまま長時間興味のない映像を見せられるだけである。1 時間ならまだしも10 数回の講義で行うのは論外だと思う。

授業でも説明している通り、これから展開していきます。次回どう展開するかも今日の授業の最後に説明しました。映像に興味がないと言うことですが、これを最初に見ておいてくれた方が、次回からの話がより理解しやすいと考えてのことです。昨年までは逆にしてましたが、いまいちピンときにくい見たいだったので、より理解してもらえる順序に変更しました。

この授業は、10 数回かけないと理解してもらえないほど深い内容を持っていると私は信じています。先に結論だけ言葉で説明することは、真の理解を妨げると考えております。私はそのような講義に耐えられないほど、学生諸君の知的体力を低く見積もってはおりません。知的体力をフルに発揮して次回からの話も聞いてくれればと思います。

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久しぶりに『木のいのち木のこころ』

今日の日本文化特論では西岡常一棟梁の動画を見た。私自身はもう何度めだろう。しかし何度みても新しい発見がある。若い小川三夫師匠も出ていた。
来週からは、久しぶりに『木のいのち木のこころ』を読んでゆく。これも何度めだろう。何度読んでもやはり新しい発見がある。特に今回は、ドクターの学生さんと読むので、またこれまでとは違った話の展開になるだろう。

今回はどんな発見があるか。いまからワクワクする。

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わくわく感

今日は2回目のゼミ。

3人の発表。
みな真剣に取り組んでくれている。

私も含め、皆楽しくなってきたようだ。
この先がとても楽しみである。

なぜなら、それぞれの発表に、そしてディスカッションに、未知の領域にチャレンジしているわくわく感があるからである。

今日はヴォーリズ記念館の写真をスクリーンに映しながら、知のわくわく感に溢れたゼミだった。

幸せ。

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人はいろいろ

今年度授業が激増した。
そんなことを言っても誰も同情してはくれず、むしろこれまで楽してきたと言われかねないので、ここでほんのちょっと、小声で言っておこう。

さて、その中の一つが、これまで開店休業状態だった博士後期課程の授業。再編によって専攻も科目名も変わった(応用言語学特論→日本文化特論)。もちろん内容も全然違う。つまりは、日本文化特論になったとたん受講生が現れたというだけの話である。

本日1回目のこの授業。3人が受講。
3人とも非常にいい学生さんだった。
私がずっと主張している高専~技科大生の特徴の、良くない方はほとんど備えておらず、非常にオープンマインドで、柔軟で、しかも専門は優秀そうである。すばらしい。

私を入れて4人。
どういう授業が展開されるか、とても楽しみである。

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ゼミ指導始動

今日から授業開始。
1、2限は卒業研究。

とりあえず三人の報告を元にいろいろ話をする。
話してみるとかなり面白いことが盛りだくさんだった。

今日は少し抑え気味に話をしたけれども、次からは全開でやろう。

ともかく私も未知の領域なので、手探りでやるしかないが、この手探り感がとても楽しい。

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