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2009-09
蝶夢と支考
- 2009-09-30 (水)
- 研究
昨日は武雄から戻った後T先生と打ち合わせ。
なんとお宅にご案内頂いて、書斎まで拝見させて頂いた。感無量。いろいろ貴重なお話を伺う。
蝶夢や支考の話はもちろんのこと、これまで存じ上げなかった先生の一面も垣間見られて、とても貴重な時間を過ごすことができた。
思想的には、蝶夢は支考の直系である。
このことが今の学会でどのくらい認められるのであろうか。なるべく早くそのことを論証したいと思う。
武雄と川古の大楠
- 2009-09-29 (火)
- 日記
今日はT先生と蝶夢関係の打ち合わせ。それまで少し時間があったので、武雄に大楠を見に言ってきた。
川古の大楠。推定樹齢3千年、幹周21m、樹高25m、根周り33mと書いてある。全国第五位の巨木だそうだ。
さすがに大きい。うろうろ歩き回り、そっと手を近づけてみる。今日は右手の方が感度がいいようだ。タクシーで来て運転手さんに待ってもらっていたのだが、その運転手さんも降りてきて眺めておられた。ふと、こうおっしゃった。
武雄にもう一つあるんですけどねえ。あっちの方が大きいように思うんですけど。
えっ? 勉強不足で全然知らなかった。
そっちも公園になってるんですか?
いえ、そっちは自然のままです。柵はしてありますけどね。
ということで行ってもらいました。
タクシーを降りて、なだらかな山道を数分歩くと、突然目の前に巨木が現れた。
驚いた。
いのちだ。
大きさなんてもうどうでもいい。
しばらくその姿を見せてもらった後、タクシーで駅まで行ってもらって、特急に飛び乗って佐賀に戻りました。
武雄の大楠。武雄神社のご神木とある。幹周20m、樹高30m、全国第6位の巨木だそうだ。
ようやく会えた
- 2009-09-28 (月)
- 研究
九州大学中央図書館へ。
院生の頃から存在を知っていて、コピーも持っている本と初めてのご対面。ようやく会えた。
しばらく感慨にふける。
そっと開いてみた。
思ったよりきれいな本だった。
何とも言えず懐かしい。
長年恋い焦がれたこの本、名を『俳諧十論弁秘抄』という。支考『俳諧十論』の注釈書である。
私の知る限り、『俳諧十論』研究はもちろん、支考研究に使われたことがない。私も使わなかった。だが私の知る限り『俳諧十論』を最も深くかつ正確に理解している注釈書なのである。当たり前だ。実はこの本の内容は、「十論講」、つまり支考自身による『俳諧十論』講義の講義メモ、又は支考の講義ノートを元に書かれた講義録なのである。もちろん本文は支考自身ではなく弟子筋によるもの(の写し)である。
私の初めての学会発表は、それまで誰も注目しなかった「先後」という言葉に注目し、それを解読したものであるが、この本はその「先後」という語も取り上げて注釈している。当時はこの本のことがよく分からなかったので、「なかなかいい注釈書じゃないか」程度に思っただけで、その発表でもうまく使えなかった。
それ以降もこの本を使わなかった。というよりきちんと読まなかった。この本は支考の考えを実によく伝えるものであるが、それ故に、そのまま使っても当時の学会では受け入れられないと考えたからである。それほど支考の思想(俳諧観)は誤解され、受け入れられていなかったのであるが、しかし要するに私にはこの本を有効に使う力がなかったのである。
それでずっとそのままになっていた。しかし、この本の意味付けを行うのは、私の役割であり責任なのだということだけは思い続けてきた。そこで少し前から、ある方と一緒にこの本を通読し、最近読み終えた。そして今回、意を決して会いに行ったのである。
ちゃんと読んでから会いたかった。
図書館の方にもとても親切にして頂きました。
調査の後、佐賀へ移動。もう何回めになるかなあ、と思いながらいつものお店で夕食をとった。いつもながらとても美味しくいただきました。
博多
- 2009-09-27 (日)
- 日記
今日から九州出張。
今日は博多で高専連携教育研究プロジェクトの打ち合わせ。焼山先生と、日本語コミュニケーションの方の打ち合わせをする。
遠慮無くどんどん意見を言ったので、中身の濃い打ち合わせとなった。が、ちょっと失礼が過ぎたかもと反省。
でも終了後は、地元の人が行く長浜のラーメン屋さんに案内してもらいました。とても美味しく頂きました。
明日は九大です。
やっぱりあった、図録
- 2009-09-23 (水)
- 日記
一昨日蓑虫庵で買って帰った図録、やはり持ってました。4冊のうち3冊。
でも一冊持ってなかったのが手に入ったのでラッキーです。
1勝3敗なら上出来です。僕にしては。
蓑虫庵
- 2009-09-21 (月)
- 日記
伊賀の蓑虫庵に行ってきた。
そこにある蚊取線香を持っていって下さい。
この時期に行くのは初めてだったのでちょっと驚いたが、なるほど蚊がいっぱいいた。そういえば昨日の西尾の尚古荘でも随分蚊に刺されたぞ、と思いながら、渦巻き蚊取線香がまるまる入る大きな円盤をぶら下げて見学した。
帰りに何冊か図録を買った(多分持ってないと思われるもの、たぶん・・・)。
勉強熱心ですね。
受付の方に誉めて頂きました(^^)
西尾市
- 2009-09-20 (日)
- 日記
天明3年に再版された丈草『ねころび草』の確認のため、岩瀬文庫に行ってきた。それほど時間がかからなかったので、企画展「まつりの歳時記」を見て、西尾の町を少し歩いた。武家屋敷跡を見て、尚古荘で抹茶をいただいて帰ってきた。
とても楽しい一日でした。
研究室HP更新
- 2009-09-15 (火)
- 日記
久しぶりに研究室のHPを更新しました。
http://hse.tut.ac.jp/nakamori/index.html
「最近の講演など」を追加しました。
小学生相手に授業をしたのは、教育実習に行ったとき以来○年ぶりです(^^)
武道部、尚志館の昇級審査と打ち上げ
- 2009-09-12 (土)
- 武道部
武道部と尚志館の昇級審査があった。
まずは武道部。当然のことながらみんな気合いが入っていた。今回は無事全員が昇級できた。喜ばしいことである。
人間の心はそんなに強くない。武道を修行するものは別に級や段がほしくて修行している訳ではない。だから級や段など別になくてもいいのであるが、しかし昇級するとみな嬉しいし、自信も出てくる。だから、昇級したとたんに見違える者がほとんどである。その小さな目の前の目標と喜びを繰り返し、上達していく。上達してゆくと、この繰り返しのサイクルが大きく、かつ深くなってゆくのである。
今回の審査で強く感じたのは、部員の技が雑だということである。これは受験していた色帯部員もそうだが、自由組手の相手をしていた黒帯も同様である。もちろん普段から見て私は知っているのだが、それを本人がどのくらい感じられたかが次のステップに繋がると思う。
収穫もあった。今年次席審査委員になって、今回初めて採点に加わったKさんが、実に正確な採点をしていたことである。これは口で言うほど簡単なことではない。それまで長い間、準備をしてこないとできない。審査委員になってから準備をはじめても遅いのである。Kさんは、審査委員になるずっと前から、審査の時、自分なりに評価、予想、反省をきちんとやってきたのだろう。もちろんだからこそ審査委員に推薦したのである。
武道部ではあらゆる役割について、いつ自分が急にその立場になっても出来るように、予想と準備をしておくことになっている。口で言うのは簡単だが、実行はとても難しい。
夕方は尚志館の審査。
こちらも子どもたちが一所懸命やっていた。特に、上級者が頑張っていたのだが、KくんとCさんがとりわけ頑張った。
Kくんは事情があって夏休み稽古に来られなかった。本人は来たかったに違いない。復帰してすぐの審査だったが、それでもチャレンジしたいと言って受験した。ちなみにKくんは5年生。
それはもう、驚くほどの頑張りだった。ほんとうによかった。
Cさんは中1であるが、ここのところ成長著しい。これからまだまだ成長するだろう。楽しみである。
ここでも別の収穫があった。さっきのKさんが尚志館では号令をかけたのだが、見事に失敗した。もちろんどうしなければいけないかは十分に分かっていたのだが、こちらは予想と準備だけでは無理で、実際に経験を積まないと出来るようにならない(こちらに関しては準備も不足していた)。
では何が収穫か?
本人がそのことを自覚し、自分の今のレベルと、自分に何が必要かをはっきりと認識したからである。次はもっとうまくできるだろう。
夜は恒例の打ち上げ。これまた恒例になっている「一人一言」ももやった。一人一言はいつでも面白い。これは級・段に比例して深い内容のことを話さないといけないという、実に厳しいものなのである。そういう意味では、色帯にはさらなる頑張りを期待したい。
今回の受験者で、個人的に話をしにきたのは数人だった。私は武道部の飲み会では、自分から個人的に部員に話しかけることをめったにしない。むしろ、何か話したそうにしていると、その場から逃げる。そういう難関を乗り越えて私を捕まえた部員とだけ話すことにしている。
ここ数回、その関門を突破するのは、ほぼ決まったメンバーになっている。今年入部の部員は誰も来なかった。
そんな面倒くさい関門を突破してまで話をしたいと思わせる魅力が私にないのだろう。昔はもうちょっと人気があったのになあ。まあ誰も来なくなったら、飲み会に出るのをやめるまでである。
気配を察知する感性
- 2009-09-06 (日)
- 武道部
どうしても外せない急用ができて、現象学研究会をドタキャン。
それで武道部の稽古に1時間ほど遅れて参加できた。
階段を踊り場まで上ったとき、いつものように入り口を見上げた。それと同時に、ふっと絵実子さんが顔を覗かせた。
いつものように扉は開いていたのだが、たまたまその横に立っていたようだ。そして私の気配を察知して覗いたのである。別に気配を消して階段を上った訳ではないが、音を立てて上った訳でもない。
絵実子さんにはこんなことはよくあるが、今回はあまりにもタイミングが良かったので、ちょっと面白かった。
ちなみに踊り場の段階で外を見た学生は今まで記憶にない。
ようわかったな。
それくらい分かります。
さすがですね。
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