中森康之ブログ
日本武道学会第43回大会
- 2010-09-03 (金)
- 研究
9月1日、夜東京入り。
2日・3日、日本武道学会第43回大会。
この学会に入ったのが今年なので当たり前だけど、初めての参加である。知り合いもいないし、要領も分からなかったが、ともかく受付時間に会場へ。
会場の明治大学和泉キャンパスも初めて。駅を降りて人の流れに乗って歩いていたら、ある会社に入ってしまった。おっ?と思っていると警備員さんが飛んできた。
どちら様ですか?
名前を名乗っても仕方ないので、「ここ明治大学じゃないですか?」と尋ねる。親切に教えてもらって無事会場に到着。
とりあえず、面白そうな発表がある部屋へ。質疑応答の時、○大学の○先生が発言される。ん?そういえばデラさが○大学の先生と知り合いだと言ってたような気が……。この先生かなあ、と思っていると、タイミング良くデラさからメールが来た。返信メールで聞いてみると果たして知り合いだった。ということでご挨拶。目出度く知り合い?が1人できた。
こういうことはもう普通のことになったけれども、この学会でもいい流れでタイミング良くいろんな方と会えた。名前だけ知っていて顔を知らなかった方が発表者として登場されたり、質疑応答で発言されたり。また発表後すぐお話できなかった方とも、トイレの行き帰りや食堂などで遭遇することが叶った。
昨年の鹿屋体育大学の身体儀礼文化フォーラムに参加したとき、一日中一番目立つところにいた私たちに「どちらから来られたのですか?」と声をかけて下さったH先生にも目出度く会うことができた。
そんなこんなでいろんな方とちょこちょこお話ができた。中でも江戸時代の柔道伝書を紹介された方とのお話は非常に興奮した。また空手のある流派の方ともご挨拶。前から知りたかったその流派の「引き手」について確認できた(思っていた通りだった)。
そんなこんなでかなり多めに持って行った名刺が、2枚を残すのみとなった。こんなに一度に名刺交換したのは初めてである。
日本武道学会の発表は「人文・社会科学系」「自然科学系」「武道指導法系」に分かれており、それぞれの発表は、ほとんどが柔道や剣道などのトピックに分かれていた。各種目を超越した「武道」として何かを論じるものはほとんどないなあと思っていると、2日の本部企画で、寒川恒夫氏が、類概念としての「武道」はグローバル化していない、という話をされた。「武道は、これに含まれる種目が持ついわば種概念としての精神文化とは別に、それらを武道として認識するための類概念としての精神文化を必要とする」(『抄録』13頁)。
その本部企画の前に特別講演。『日本型イノベーションのすすめ』(日本経済新聞出版社)『なんとなく、日本人』(PHP新書)の著者、小笠原泰氏による「武道とはいかなる意味で日本的なのか-国際化を『モノ』と『こと』から考える」。日本武道学会に来てこのような話を聞けると思っていなかったので、非常にラッキーだった。しかもこの前の身体開発研究会で話題になったばかりの「日本的」なるもの。小笠原氏が公演中でも触れられた、これぞまさしくセレンディピィティー。
「グローバル・パラドクス」ということをまずお話になる。おお「逆説」ではないか。さらにそれを基礎とした「日本的」なるものについて、持論を展開された。
講演終了後、個人的にお話を伺う。もちろん「日本的サッカーなるものはありえるか」ということも質問する。なんと小笠原氏はサッカーにも非常に詳しい方だった。
小笠原氏の特別講演の後は、先に触れた本部企画。「武道の国際的普及をめぐって―武道に期待されているもの ―」。パネリストは寒川恒夫氏と金子明友氏。寒川氏については上述した。金子氏のお話は、フッサールやら現象学やらが出て来て驚いた。恥ずかしながら私は金子氏の御著書を読んだことがなかったのである。早速その場で『わざの伝承』をネットで検索、注文した。そうだ、4日の現象学研究会に備えて『イデーン2』を読まねば。
学会2日目(9月3日)。
午前中は研究発表聴講。
午後から専門分科会。私は空手道の分科会にいくのが普通なのだが、剣道専門分科会企画で、小笠原流礼法の小笠原清忠宗家がご講義される。身体儀礼フォーラムでお話を伺ったこともあり、剣道の専門分科会に参加。
ご講演の後実技指導。もちろん出来なかったが、面白かった。特に最近よく言われている武道的身体動作は、いかに楽に、合理的に、有効に身体を使うかという話が中心だが、小笠原流は、当たり前だが礼法なのであった。つまり自己のパフォーマンスを最大値にすることだけではないということである。そのことが、ごく僅かではあるが実体験してみてよく分かった。
終了後ご挨拶する。鹿屋でもご挨拶したので覚えていて下さった。
その後、途中から空手の分科会に参加。
ということで初参加の学会が無事終了。
明日は久しぶりの現象学研究会である。
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久しぶりに大学へ
- 2010-08-31 (火)
- 日記
31日。
久しぶりに大学へ。
しかしメールや書類が溜まっている。今日中にやらないと明日から東京である。
なんとか今日締め切りの書類を書いて提出。でもメールの返信や手紙は書ききれなかった。
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薬師寺
- 2010-08-30 (月)
- 日記
30日。帰る前に薬師寺へ。
秋から東塔が本格的に解体修理に入るので、現在東塔西面の扉を開扉し、基壇上より初層内陣をご参拝できる。というのでGO!
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この姿、10年ほど見られなくなる。というか、同じ姿はもう二度と見られないのかも知れない。
方寸塾生、武道部員と写経をしようと思って写経用紙を買って帰る。
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第6回身体開発研究会
- 2010-08-29 (日)
- 研究
29日は第6回身体開発研究会(於聖トマス大)。
正門に着いたとき、ホテルに預けたカバンにデジカメ入れたままだったことに気づいた(。。;
わーどーしよ~と騒いでいるところへ、デラさ・常人歩人さんたちと遭遇。「初めてでない初めまして」の挨拶を交わす。やっぱり黄色いわ、常人歩人さん。
さて研究会は、中村先生と木寺先生のお話。大変勉強になった。中村先生のお話は、日本文化論とも関連するお話で、「「日本(的)とは何か」とは何か」の難しさを改めて考えさせらられた。「日本的なサッカーって何いい~?」。
私は「個の確立論」をあまり信じていないが、自立した個の有機的連関ではなく、自他が分離していない一つの統一体と化したチームがあるとしたら、それを「日本的」と言ってもいいのかもしれないが、多かれ少なかれサッカーにはその要素が不可欠な気もするし。でもそんなレベルの高いチームを作ろうと思ったら大変ですね。それは難しいから、お前は与えられたポジションで、与えられた仕事(お前がやるべきこと)を確実にこなせ、という方が簡単。おお、なんと西欧的。そんなこと日本人には出来ないよ~、と思ったが、最近の日本人なら出来るかも、とも思う。
木寺先生のお話は「屈曲動作」(こちら)。随所に小山田さんの実技指導が入る。これからスーパーストレッチやろーっと。
研究会後の打ち合わせ→懇親会。ここでも「右と左」の話などで盛り上がる。次回は小山田流「右と左」論全開の予定。
楽しみだ~って、いいかげんに覚えてちょうだい。僕だってば!
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追加・研究集会の受賞者
- 2010-08-28 (土)
- 研究
一つ前のエントリーで書いた研究集会のプロジェクトメンバーの受賞者が漏れていた。実は翌日の関西出張のため、私は表彰式を失礼したのである。メンバーからのメールで受賞を知ったのであるが、ブログを書いてからお知らせメールが届いた方が一人いた。
既に昨日の文章も修正したが、めでたいことなので改めて書いておきたい。
受賞は下記の通りである。
〔教育研究分野〕
井上次夫先生(小山高専) 文部科学大臣賞
鍵本有理先生(奈良高専) 理事長賞
〔学生指導分野〕
三木功次郎先生(奈良高専)文部科学大臣賞
教育教員研究集会の賞は、上記の2分野あり、文部科学大臣賞は各1名、理事長賞は前者6名、後者2名の計8名に与えられる。つまりプロジェクトメンバーは、文部科学大臣賞を独占、理事長賞を合わせて全10名のうち3名が受賞したのである。
三木先生はこれで何と3年連続の文部科学大臣賞受賞である。また昨年は三崎先生(香川高専)も理事長賞を受賞している。
快挙という他ない。
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教育教員研究集会in長岡
- 2010-08-28 (土)
- 研究
27日(金)、28日(土)と平成22年度全国高専教育フォーラム・教育教員研究集会。
私のプロジェクトメンバーからは、三木、山田、岩崎、江本(以上、課課外活動「人間力養成」)、井上、柴田、畑村、鍵本(以上「日本語コミュニケーション」)の各先生と私が発表した。
今回は、同セッション別会場でいくつか発表が重なってしまい、全員の発表を聴講できなかったが、聴講できた発表はいずれも素晴らしいものだった。特に鍵本先生の発表は、今回初めて拝聴したが、非常にいい試みだと思った。早速自分の授業でも取り入れてみよーっと。
残念ながら井上先生の発表が聞けなかったが、何とその井上先生(小山高専)が文部科学大臣賞を受賞した。また、三木先生も文部科学大臣を受賞。これで三木先生は何と3年連続の文部科学大臣賞受賞である。さらに鍵本先生(奈良高専)が機構理事長賞を受賞した。
教育教員研究集会の賞は、「教育研究分野」と「学生指導分野」の2分野に分かれており、文部科学大臣賞は各1名、理事長賞は前者6名、後者2名の計8名に与えられる。
つまりプロジェクトメンバーは、文部科学大臣賞を独占、理事長賞を合わせて全10名のうち3名が受賞したのである。
昨年も三木先生(奈良高専)が文部科学大臣賞(一昨年から2年連続)、三崎先生(香川高専)が機構理事長賞を受賞している。快挙という他ない。日頃の先生方の熱心な教育と研究の成果が評価されて、本当に嬉しい。
私の発表は、最悪だった。会場が寒くて、また私が座っていた発表者控席に空調が直撃。そうなると私は声が出にくくなるのである。しかしそれより何より、卒業生の事など余計なことを話しているうちに時間がなくなり、肝心の「逆説のメソッド」の話ができなかった。つまり、発表の中心の話をしなかったのである。
何たる失態、とも別に思わず、まっ、いいっか、と思って次の方の発表を聞いていると、「それまで随分悩んでいたが、昨年この方の発表を聞いて、光明が見えた」という説明の後、何とスライドに私の発表論文のタイトルと顔写真が現れた。あー、びっくりした。私の全く知らないところで私の心を受け止め、共感して下さった方がおられたことに感激した。
懇親会場は超満員。私にもとても多くの方がお話にきて下さった。あまりに多くの方と話したので、メイン料理のテーブルに行かなかった。こんな懇親会は初めてで、本当に幸せである。
28日は、昼休みにタクシーで新潟県立歴史博物館へ。「日本海の至宝展」。面白かった。図録も何冊か購入できた。
再びタクシーで会場へ戻り、午後の発表を拝聴。その後、新幹線を乗り継いで豊橋へ帰った。当然バスがなかったので、これまたタクシーで家にたどり着いた。
明日は大阪だ。
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高専連携教育研究プロジェクト成果報告会
- 2010-08-20 (金)
- 研究
今日は、学生さんによる高専連携教育研究プロジェクト成果報告会。わがプロジェクトからは三木先生と山田先生とその学生さんたちがご参加。
ポスターセッションも、ショートプレゼンも非常にいい発表が多かったと思う。もちろん、三木先生、山田先生の学生さんも非常にしっかりとしたいい発表をしてくれた。なんせ「人間力」養成プロジェクトですからね。
また、今年から「人間力」養成プロジェクトに参加してくれた高橋先生も、別のプロジェクト報告で参加。めでたく対面を果たせた。
懇親会もいい雰囲気で終了。
次は長岡で教員が発表する番である。もちろん私もやる。学生さんたちの意気込みに負けない発表をしたい。
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訪書旅行
- 2010-08-18 (水)
- 日記
大阪俳文学研究会の訪書旅行で朝日町へ。貴重な資料がどっさりで非常に充実した調査となった。よくこれだけお集めになったと思う。学芸員の方もとてもよい方たちで、行き届いたお心遣いであった。お世話頂いた0くんにも深謝したい。
そこでまたセレンディピティーが。
私たちは2階で資料を拝見していたのだが、1階で開催されていた展示を見てこられたS先生が大興奮して帰ってこられた。「えらいものがあった。びっくりしたー」と。それは連歌田に関するもので、それに関する資料としては、他に知られているのは全国で2点しかないという。私は不勉強で全く知らなかったが、資料を囲んで、先生がご丁寧な講義をして下さった。
実は私は別室である資料を見ていたのだが、そこに先生と数名の方が入ってこられたので、「ここでどうぞ」と机を空けたところ、その集団に吸収されて聴講生の一員と化したのである。これもセレンディピティー?
その後先生は関係の神社へGO!これも詳細は知らないが、先生が「また今度連れて行ってな」とOくんに言われていたのを、Oくんはじめ周りの方が気を利かせてその場で実現したようである。先生のご人徳と周りの方の心遣いによるものである。
ところで、実はこの資料の写真は既に博物館のパンフレットに掲載されていた。つまり万人にオープンにされており、誰かに「発見」されるのをじっと待っていたということである。そして多くの人が素通りしていった中、S先生がそれに気づき、きちんと受け止められたのである。
こういう資料は、出会うべき人の前に、出会うべき時に、出会うべくして現れるというが、それにはこちら側の準備と気づきが不可欠なのである。そうでない人の前は、黙って素通りしてしまう。人間と同じである。
調査終了後は懇親会。久しぶりにお会いする方も多く、楽しい会であった。
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京都な一日
- 2010-08-15 (日)
- 日記
朝から京都へ行く。
まず永観堂(禅林寺)へ。ご本尊「みかえり阿弥陀」様にお参り。
こういう説明があった。
念仏を唱えながら本堂を歩く修行をしていた永観の前に、本尊の阿弥陀如来が一緒に加わった。夢ではないかと立ち止まる永観に、阿弥陀如来は後ろを振り返り「永観、遅し」と発したと伝えられる。
いい話ですねえ。修行に集中しきっていた三昧の状態であればこそ阿弥陀如来が現れたのであろうが、夢ではないかと立ち止まった途端、すでに三昧ではなくなっており、消えてしまわれても仕方ないが、さすがに阿弥陀如来様。「永観、遅し」とは何とも気の利いた言葉である。
その他いろいろ拝観してから「獅子門歴代句碑」へ。これだけ句碑が並ぶと圧巻である。
その後双林寺へ。お目当てはもちろん仮名詩碑と美濃派道統碑である。
こちらも壮観。こちらはそれを拝見してから、ご本堂へ参拝。パンチ和尚はご不在であったが、お寺の方と少しお話ができた。
その後は京都国立博物館。もちろん上田秋成展。これも堪能させてもらった。
さらにその後は、古城道場(合気道)へ。稽古を見学させて頂く。
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雨が降ったり、晴れたり、そして暑かった、京都な一日であった。
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平城遷都1300年祭
- 2010-08-14 (土)
- 日記
平城遷都1300年祭をやっている平城宮跡へ。
9時に朱雀門開門。厳かに開門されると、その向こうに第一次大極殿がみえた。私には教科書に載っている俯瞰図からこの感じを想像する能力がなかった。実際に見てみるものである。
色々想像しながら第一次大極殿へ。今度は復元された大極殿から朱雀門を見る。何とも壮大。
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